現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【カンボジア】4時半起きで巡るアンコール遺跡群 その2

アンコール・ワットとプノン・バケンについて記した前回の記事はこちら→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/12/12/011505

 

・11/11 シェムリアップ(続き)

地図は前記事と同じものです。

30〜40分ほどでさらっとプノン・バケンを見た後は再度トゥクトゥクに乗ってアンコール・トム(Angkor Thom)へ向かいました。アンコール遺跡といえばワットが最も有名ですが、最大なのがこのトムとなっています。

アンコール・トム南大門。トムは1辺が3kmほどもある大きさのため、ワットとは違って車やトゥクトゥクのまま堀の中まで入っていきます。

門を通ってしばらく林道のようなところを走ると見えてくるのがアンコール・トムの中でも代表的なスポットであるバイヨン寺院。このアングルで見るとそこまで大きそうには見えないですが、不思議と中に入ると外から見るよりかなり広いです。

大きな顔の像が非常に数多く形作られています。

壁面にも。

獅子でしょうか、狛犬みたいな像も立っています。

 

バイヨン寺院とは別にアンコール・トム内にあるバプーオン(Baphuon)という寺院です。

象のテラス。

アンコール・トムは広いのでまだまだ色々なスポットがあるようでしたが、ここで移動して昼食を取りました。タ・ケウと呼ばれる下の写真の寺院の前にレストランがあります。

タ・ケウ(Ta Keo)。10世紀に着工されたものの、未完成のまま現在に至っています。時間の都合などもあるので、今回は前で写真を撮っただけに留めました。

タ・ケウの正面にあるレストランです。

ベトナムの春巻きとタイのスープカレーを持ってきたような感じ。

前の記事でアンコール・ワットのトイレよりもタ・ケウ近くのトイレの方が綺麗と書きましたが、こんな感じです。中もちゃんと清潔でしたし、普通に流せました。しかもアンコール遺跡のチケットを提示すれば無料。

さて、トイレの話はこれくらいにして続いて訪れたのがタ・プローム(Ta Prohm)。ここでは寺院の至る所にガジュマルの木が絡みついている神秘的な光景を目の当たりにすることが出来ます。「ラピュタっぽい」と言うと凄く月並みな表現ですが、雰囲気としてはまさにあの感じ。

血管のように絡まる木。

ちなみに入ってから気付いたのですがタ・プローム境内の正規順路の表示は東側から入る前提になっています。我々は上の地図に示したようにアンコール・トムやタ・ケウの方面から来て西側から入ったため人の流れと逆行することになり少し通りにくい場所がありました。ただ、西側にも係員がいて何事もなく入場できたわけなので、内部の表示がそうなってるとはいえ特にどっちから入るのかは問題ではないようでした。

そもそもカンボジア旅行を企画したのが漠然と「アンコール・ワット行こうぜ、まあトムもついでに見るかな」くらいだったので、早朝から起き出してその両者どころかプノン・バケンに登りタ・プロームも抜けてきたこの時点では既にかなりの満足感と疲労感を感じているところでしたが、ここでトゥクトゥクドライバーが「まだもう少し見たいならルート的にバンテアイ・クデイは行ってあげれるけど、どうする?」と提案してくださったので「折角の機会や!」ともう一箇所頑張ることに。

というわけで真のラストダンジョン、バンテアイ・クデイ(Banteay Kdei)の入り口がこちら。

「踊り子のテラス」。その名の通り、柱には踊り子のレリーフが彫られています。

バンテアイ・クデイを西側から東側へ抜け、そのすぐそばにある広大な四角い人工池「スラ・スラン」(Srah Srang)で写真を少々。

この後はトゥクトゥクでホテルに戻り、夜まで仮眠を取りました。その後「パブ・ストリート」と呼ばれる繁華街に向かったのですが、そのことについては次の記事でトンレサップ湖と合わせて書きたいと思います。

【カンボジア】4時半起きで巡るアンコール遺跡群 その1

前回の記事はこちら→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/12/12/010450

 

・11/10 ベトナム航空 ホーチミン市(タンソンニャット)→シェムリアップ

ホーチミンからシェムリアップまでのフライトは僅か1時間程度で、体感的には羽田-八丈島(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/10/20/020416)と同じくらい。ベトナムカンボジアの間には時差はないので、現地時間にして20:20くらいに到着しました。

シェムリアップ国際空港で飛行機から降りるとこんな感じです。伝統的っぽいデザインで非常に美しく、清潔感もあります。

内装もとても綺麗。到着して入国審査を行う前のロビーですが、この顔の像に向かって右手にはアライバルビザの申請場所、左手には入国審査に並ぶ場所があります。

カンボジアにはリエルという自国の通貨がありますが、米ドルがそのままほぼどこでも使えるので米ドルを持っているなら両替の必要はありません。ただし、流通しているのは紙幣だけなので1ドル未満のお釣りはリエル紙幣になって返ってきます。

空港から出るとホテルが手配してくれたトゥクトゥクドライバーの方が迎えてくれました。自分は今回が東南アジアデビューだったのですが、タイやミャンマーの経験がある同行した友人によればこのトゥクトゥクはかなり上質だそうです。

空港からシェムリアップの市街地へはこれに乗って大体30分くらいでした。始めこそ道路も空いていて長閑でかなり快適でしたが、中心部に近づくほど交通量も増えてきて結構賑やかになってきます。何かのイベントをやっていたらしく、ホーチミンに負けず劣らず爆音の音楽と眩しい照明を使っていました。

宿に着くと2泊の滞在中の予定を聞かれました。とりあえず翌日は1日アンコールの遺跡群を回ろうかと漠然と考えていたんですが、どうも4:30に起きればアンコール・ワットで日の出を拝めるらしいです。荷物を背負って1日ホーチミンを回っていた後に4:30起きか、と躊躇いましたが、その次の朝は雨の予報だったので日の出を拝むなら明日だと。朝日ではなく夕陽を取る選択肢も有ったのでとりあえずご飯食べてくるから考えておくと言って保留にしましたが、結局色々考えた結果4:30起きを取ることに。

宿近くのレストランで注文したフィッシュ・アモック。カンボジアが擁する東南アジア最大の湖・トンレサップで獲れた淡水魚をアモックというスパイスでスープにしたクメール料理です。

このあと宿に戻ってシャワーを浴びたのですが、シャワーから出ると酒が入ってたこともあって友人が完璧に寝落ちており全く起きる気配が無かったので、結局彼は風呂にも入れずiPhoneを充電することもなく4:30を迎えることに……

・11/11 シェムリアップ

4時過ぎにアラームで起き、友人を叩き起こして支度をします。外に出ると昨日と同じドライバーが既に待機していました。ひょっとしてずっと同じ人なのか? と思いましたが、この予感は的中することになります。

まずアンコールの遺跡群に行くにはチケットを買う必要があり、これは遺跡のそばではなく市街地にあります。今回の我々のように現地の人に連れ回ってもらうなら問題ないかと思いますが、レンタルサイクルなど何らかの方法で自分で動く場合は注意が必要です。

ただ我々のようにトゥクトゥクに乗る場合、チケット的にはどこに行ってどっち向きに道を進んだり何回か周回しても大丈夫だったとしても、ドライバーがサービス上ある一定のエリアとルートしか許容しない(またはそうでない場合追加料金を取る)というパターンが有り得るので事前によくコミュニケーションを取ることが肝要です。我々はそこらへんよく分からないまま出発してしまったので現地で「え、そういう仕様なの」と気づく展開が多くありました。

ともあれ、結果を先に述べると

チケット販売所→アンコール・ワット(朝食を含む)→プノン・バケン→アンコール・トム→タ・ケウの南側にあるレストランで昼食→タ・プローム→バンテアイ・クデイ→スラ・スラン→市街地にあるホテルへ戻る

というルートで回りましたが、後から記憶を元にチケット販売所からスラ・スランまでのルートを再現した地図がこちらになります。道が途切れている箇所は西側から遺跡に入って東側で再度乗せてもらったことを意味しています。

チケットセンターはこんな感じ。まだ朝5時になるかならないかなのにこの観光客の数です。チケットは1日用だと37ドル(約4000円)。物価や宿泊費に比べてかなり強気な価格設定ですが、そこを気にしたらアンコール遺跡を拝むことはできません。なおチケット発券時には国籍を聞かれ、顔写真を撮られます。

薄ら空が明るくなってきた頃、アンコール・ワットに到着。とはいえ照明らしい照明が全然ないので、まるでよく分からないままとりあえず観光客の波に乗って歩きます。

四角い池を前に、明るみ始める空とアンコール・ワット。11月は既に乾季なので、そのせいか池の水はやや少なかったです。もっと綺麗に逆さアンコール・ワットを見たいなら雨季の方がもしかすると良いかも。

この写真を見ると「早朝に起きてまで日の出見にきて結局曇っとるやないかい」という感じがしますが、実は一瞬だけ雲の切れ目から太陽の光線が神々しくアンコール・ワットに降り注ぐところを見ることができました。ただしマジで一瞬すぎて写真には残っていません。 

陽が登り始めると早いものであっという間に普通の朝の明るさに。アンコール・ワットの内部へと入っていく手前で撮った一枚です。

こちらはワット内部の「十字回廊」にある沐浴池跡。

遺跡ではありますが現役の寺院としても機能しているようで、地元民と思しい参拝者の方も訪れています。

かなり巨大な石造りの建造物ではあるのですが、このように細部までレリーフが彫り込まれており、どこを見ても本当に芸が細かいです。

カンボジア国旗にも描かれているアンコール・ワットの中央祠堂です。普通はここも登れるらしいのですが、神聖な行事を行う日にはここには入れないらしく、運悪くその日に当たっていたので下から見るだけでした。

所々にこうやって絶妙な配置で石が積んであります。これを積むことによって精神統一の修行をしている……のかは分かりませんが、恐らくは重要な意味があって置かれているものだと推測されるので誤って崩したりしないよう足元にご注意下さい。

明るくなったところでもう一度このアングル。

一通りアンコール・ワットを見れたところで朝食をとります。観光地価格にはなってしまいますが、堀の内側、寺院のすぐ近くにレストランがあります。上の写真でいうと90度左を向いた方向になります。

インディカ米に甘辛い感じに味付けされた鶏。右下の調味料はめちゃしょっぱいレモン+胡椒のソースみたいなものでした。

ちなみにお手洗いもこのレストランの近くにあります。が、日本の感覚からすれば相当汚いのでそのつもりで……水洗レバーなどはなく手桶で便器に水を入れて流すスタイルで、和式(日本じゃないので正しい表現かは分からないが)です。全部個室なので男女の区別はありません。なお1000リエル(約30円)とられます。後で述べるタ・ケウ近くのトイレの方が段違いに綺麗でしかも無料ですので、余裕がある人は無理にここでしなくても良いかと思います。

いかんせん起床が4:30なのでこの時点でもまだ8時台とかだったと思います。エクストリーム朝活かよ。

アンコール・ワットを後にし、トゥクトゥクドライバーと合流した我々は次にプノン・バケン(Phnom Bakeng)に向かいました。ここは夕陽の名所として知られる場所ですが、位置的にワットとトムの間にあるため夕方に来ようと思うとドライバーに2周目を頼まねばならず、また夕方も曇りの予報だったこと、およびプノン・バケンには1度に300人しか入場できないという制限があるためもし夕方行くとしたら早めに着いて置く必要がある……などの制約もあって夕陽は抜きにして純粋にプノン・バケンそのものを見ることにしました。

ちなみにさらっと書いてますが実際にはこの段落の内容を把握・決断するためにドライバーとまあまあ揉め(というよりは単純に意思疎通がスムーズでなかった)てます。

プノン・バケンでは材木などで建造物を補強している箇所が多く見られます。どうも300人しか入れないというのも遺跡の保全に関係しているような感じでした。

プノン・バケンは小高い山の上にあるため見晴らしが良いです。

記事が長くなるので一旦ここで区切らせていただきますが、次の記事ではアンコール・トム、タ・プローム、バンテアイ・クデイについて書いていきたいと思います。

 

【ベトナム】カンボジアへのトランジットで1日ホーチミン観光

青ヶ島編・フランス編と年内ながら少し前に行った旅行の話を2件お送りしてきましたが、ここからはブログ開設後に行ってきた新鮮なネタになります。

11月にベトナム航空を利用してホーチミン市(Hồ Chí Minh)経由でカンボジアシェムリアップ(Siem Reap)へ友人と2人で行ってきました。シェムリアップと言われると聞きなれない方もいるかもしれませんが、かの有名なアンコール・ワット(Angkor Wat)をはじめ多数の遺跡を擁する都市の名でございます。

 

まず最初に旅の前の準備について軽く触れますが、ベトナムは15日以内の短期滞在ならビザが必要ない一方、カンボジア入国にはビザが必要となります。ビザ取得については詳しく解説しているサイトが多いのでここでは詳細は割愛しますが、オンラインでeビザを取得する場合は間違えてボッタクリサイトを使わないよう注意してください。日本語を自動翻訳してくる政府公式のサイトよりも、ボッタクリサイトの方が日本語がちゃんとしてるのが要注意です。ちなみにビザはちゃんとした値段であれば36ドル(約3900円)で、申請の翌日にメールでpdfで届きました。

さてここからが本題。

 

・11/9 ベトナム航空 成田→ホーチミンタンソンニャット国際空港

成田からベトナム航空を利用してシェムリアップへ向かう場合、ホーチミンですぐに乗り換えることも可能なのですが、19時台に着いて翌日の19時台にシェムリアップ便に乗るというほぼ丸1日の待ち時間を取る乗り換えが可能なので、アンコールの遺跡群を見に行くついでにホーチミン市街地もかなり見物することができます。

ベトナム航空の機内食はこんな感じ。美味いわけでもないが、別に不味くもない。

空港に着いたらまずベトナムの通貨「ドン」を都内の大黒屋で入手した米ドルから両替しました。「円→ドン」ではなく「円→ドル→(一部を)ドン」としたのはレートの問題もありますが、後で行くカンボジアで米ドルを使うことになるからです(カンボジアには自国通貨のリエルも有りますが、ほぼどこでも米ドルで支払いが可能)。

泊まるところや食べるもののグレードによりますが、1泊の滞在であれば食事宿泊観光合わせて50ドル+αくらい両替すれば大丈夫だと思います。ドンを入手したところで、空港を出て目の前に停留していたバスに乗り込み中心市街方面へ。

夜のホーチミン市街地の道路の様子。確かに東南アジアといえばバイクって印象がありますが、本当に多いです。それと日本では中々ないことですが1分に2, 3回くらいクラクションを耳にしました。1日しかいなかったのに東京の数年分はあの音を聞いたと思います。

夜のストリートは非常に賑わっています。

ベトナムといえばフォーやろ!」という安直な発想で真っ先に食したのがこちら。これでビールも付けて一人500円もしません。めちゃ物価安い。

大音量で音楽を流し早朝4時くらいまでパァリィしている一角がありました。ドゥンッドゥンッっていう感じの重低音がホテルまで響いてきて少々寝づらかったので、「9月23日公園」周辺のエリアに宿泊を考えている場合は要注意です。

・11/10 ホーチミン観光

翌朝、チェックアウトし本格的なホーチミン観光へ。この都市は主要な見所がかなり狭いエリアに集中しているので弾丸観光にはかなり適していると思います。

ホーチミン人民委員会庁舎、通称:ホーチミン市庁舎。かつての宗主国であるフランスの香りがする優雅で立派な建造物となっています。

市庁舎の目の前には大きな広場があり、市名の由来であるホー・チ・ミンの像が立っています。「ベトナム社会主義共和国」の名の通りいかにも所謂東側の国といった雰囲気がします。

こちらは歌劇場。残念ながらこの日は中に入ることはできませんでした。

サイゴン大聖堂。左右に対となる塔が配置されており、かつてのフランス領だけあってノートルダム大聖堂(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/164136)を連想させるシルエットですが、どうも改修工事中のようでした。

続いてサイゴン中央郵便局です。同じビル(DIAMOND PLAZA)が写り込んでいることからもお分かりかと思いますが、上記の大聖堂のすぐ隣にあります。市庁舎同様おしゃれで立派な外観をしています。中でお土産が売っていたりして完全に観光地化していますが、実際郵便局としてもちゃんと機能していますので、市庁舎の写真のポストカードを実家宛に送っておきました。

続いてベトナム戦争証跡博物館。入場料4万ドン(約190円)がかかります。

その名の通りベトナム戦争についての資料や遺物を展示した場所になりますが、一方的にベトナムからの視点で描くのではなくアメリカ側からの視点や当時のその他の各国の受け止め方など、かなり客観的にベトナム戦争をとらえた内容になっています。

普段平和な空間に暮らす自分自身の意識に一石を投じるのにとてもよいスポットですが、爆発により原型を留めていない遺体や枯葉剤作戦によって生まれた奇形児の写真がありのままに多数展示されていますので、人によってはきついかもしれません。WWIIの頃より映像技術が発達した70年代以降の資料であることもあり(一部カラー)、個人的な感想としては昔行ったニューヨークのホロコースト博物館よりリアルで生々しく感じました。

続いて統一会堂(Hội trường Thống Nhất)。フランスにより建てられ、その後南北分断時代には南ベトナムことベトナム共和国の大統領官邸として機能していた建物です。最終的には現在の"ベトナム"である北ベトナムによってここが陥落し、ベトナム統一が果たされた…ということで今はこういう名前になっているようです。入場料を払えば見学できますが、今回はフェンスの外から見るに留めました。

さて昼食は何と更にフォーと生春巻き。いや昨夜もフォー食ったやんけと言われそうですが、別の店ですし一応具の種類も変えてます。蟹を練りこんだ団子みたいなのが入っていたのですが結構美味しかったです。

ココナッツジュースもつけて気分は南国。ちなみに画像左にあるチマキみたいなものは注文したわけではなく最初からそこにありました。よく分からず手をつけていないので正体は謎です。

昼食を取ったところでお土産の物色もかねて「ベンタイン市場Chợ Bến Thành)」へ。

観光客相手の商売場所という雰囲気が強く、中で売られているものは結構強気の言い値を言ってきます。素直にお店の人の言うままに買うとめちゃめちゃボッタクられるので買うものがあるなら逆にこちらも強気な値下げで交渉する姿勢を見せるのが吉かと思われます。「この値段まで下がらないなら要りません」と言って帰るふりすると結構成功するみたいです。なお僕はちょっとだけ押しが弱くて値下げしきれず、若干高めなお値段でTシャツを購入しました。まあでも売る方買う方両方が良いと言ったら後は恨みっこなしです。

ただ実際にやってみて分かったのですが値交渉は精神的に疲れるので、特にスパイスやコーヒーなどではなくシャツや置物系が欲しい場合、ストレスなくそれなりの値段で買いたいなら上述のサイゴン中央郵便局をおすすめします。

中心市街地の主要なランドマークは粗方押さえたところで、少しだけ時間に余裕があったので最後は中心地から見て空港方面にあるヤックラム寺(Giác Lâm Pagoda)へ。外国人観光客はかなり少なく、マジで地元民向けの普通の寺って感じでした。

ベトナム上座部仏教が多い東南アジア大陸部にありながら日本を含む東アジアと同じ大乗仏教が主流の国ですが、この七重塔を見ればお分かりのように実際の雰囲気は全然日本と違いました。面白いのは仏像の後光が電飾だったことです。最初は面食らいましたが、確かに「仏の後光」を表現するにあたって実際に光を出せる現代技術でアップデートした仏像を作るというのは、信仰を伝統や文化の一部分としてよりも現在の生活の一部分としている人々にとって自然なことなのかもしれません。

写真では伝わりづらいですが、頭の後ろの光の筋は点滅しています。

さてローカルなスポットも垣間見たところで空港へ戻ります。ヤックラム寺の近くに30分に1本来る空港行きのバス停があるということでそこに向かい待機

……したんですが、30分以上たっても一向に空港行きのバスが来なかったので、仕方なく流しのタクシーを捕まえました。看板にはちゃんとタンソンニャットって書いてるよな?

公共交通がまともな時間感覚で走っているのは日本くらいだとはよく聞きますが、やはり過信はしない方がいいというのは本当のようです。

というわけで丸1日の乗り換え時間を利用した弾丸ホーチミン観光はこれにて終了し、ここからは真の目的地・カンボジアへと入ってゆきます。

【フランス】ミュージアム・パスで巡るパリ市街

前回→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/162450

・3/22

この日は丸々自由行動。最初に述べたとおり10人以上のグループなので、シャンゼリゼ通りでショッピングしたい派と観光に全振りしたい派の2手に分かれて行動することになりました。僕は後者です。

まず朝イチで向かったのはモンマルトル(Montmartre)の丘。土曜日には「黄色いベスト運動」のデモのルートになるので行くなら金曜(22日)にして下さいとのことでした。このモンマルトルはジャン=ピエール・ジュネ監督の映画『アメリ』(2001)で舞台になっています。

映画ではメリーゴーランドの脇に公衆電話があり、オドレイ・トトゥ演じるアメリがそれを使うシーンがありますが、残念ながら公衆電話はありません。

劇中でアメリが勤めているカフェも名前が違う(Café des Deux Moulins)だけでほぼそのまんまの外見・構造で実在するので前まで行って写真撮ったんですけど、何かの間違いで消えてました。残念……。

ちなみに『アメリ』のカフェからしばらく道を下るとムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)というキャバレーがあります。キャバレーといっても日本でいうそれとは少し違ってショーとかをやるクラブみたいなものでしょうか。ここもバズ・ラーマン監督の映画『ムーラン・ルージュ』(2001)でその名の通り舞台になっています。

さて朝のモンマルトルを散策した後はメトロに乗り、前日車窓からちらっと見たエトワールの凱旋門へ登りに行きました。

この凱旋門、入場料が発生するんですがパリ市内をガッツリ観光するなら普通に凱旋門単体の入場料を払うより「パリ・ミュージアム・パス」の購入が非常に便利だったのででオススメです。自分は凱旋門の入場窓口で買いましたが、結構色んな所で売っているようです。

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これを購入するとパリの主要な観光地55ヶ所に対象期間内に入り放題になります。僕が利用した2日間用のものは52ユーロ、日本円にして約6300円です。決して安くはないですが、内容がかなり充実してますし、4ヶ所ほど行けば元が取れる価格設定なので十分買う価値があります。

対象55ヶ所の中には

・エトワールの凱旋門 ・ルーヴル美術館 ・ノートルダム大聖堂

オランジュリー美術館 ・オルセー美術館 ・サントシャペル

も含まれています。ここから先行くところ全部これで回りました。経済的な面はもちろんですが、一度どこかでこれを買えば以降の場所に入場するときほとんど並ばなくてよくなるというのは限られた時間でできるだけ多くの場所を巡りたい人にはありがたい話です。

これを買ったら裏表紙の所定欄に使用開始する日付と自分の氏名を記入することで使えるようになります。日付は左から日、月、年なので注意。

凱旋門を中心として放射状に通りが伸びているのを360度見回せるのは中々壮観です。その中でも上の写真は、凱旋門に向かって正面に通っているシャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Élysées)を写したものです。大きなオベリスクのあるコンコルド広場まで約2km、まっすぐ続いています。

実際シャンゼリゼを歩いてみるとこんな感じ。ご覧の通り道幅がかなり広いです。そしてその両脇はブランド物の販売店や飲食店などが並んでいます。ただ、当時毎週土曜のデモが日本でもニュースになるくらい激しい時期だったので、沿道の店のガラスには結構な割合でヒビが入っていました。この日は金曜なので通りは平和そのものだったんですが、「これが明日にはガラスが割れるほどの激しいデモの舞台になるのか……」というのが今一実感として湧いて来ず、それだけに窓のヒビが奇妙に周りの景色から浮いていたのを覚えています。

我々一行はブランド物などにはそこまで関心が高くないチームだったので、シャンゼリゼはぶらっと歩いてランチを食す程度でした。最初の記事で少し触れましたが、そろそろ趣向の違うものが食べたい頃合いになっていたので、レバノン料理店に入りクスクスを注文。クスクス(仏: couscous, 亜: كسكس)とはデュラム小麦粉を粒状にしたもので、実際味や食感も「米っぽい形のパスタ」でした。具としてはケバブと似たような感じの肉と野菜が添えられています。

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さて、シャンゼリゼを歩き通した先にあるコンコルド広場のすぐ近くにはオランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)があります。クロード・モネの『睡蓮』を多数展示しているのが一番のウリな美術館でして、さほど規模は大きくないので1時間くらいでサクっと回れます。

ちなみに日本とは違い、美術館内は基本写真OKです。ただダメな所もあるかもしれないのでその都度掲示などをよく確認して下さい。

オランジュリーを出たら次はレオポール・セダール・サンゴール橋を渡ってセーヌ川の対岸にあるオルセー美術館(Musée d'Orsay)へ。

橋には多数の「愛の南京錠」がかかっていました。恋人同士がここに錠前をかけて、鍵を川に投げ捨てることで解けぬ愛を誓うというもの。

ルイ・レテリエ監督の『グランド・イリュージョン』(2013)にもちらっと出てきますが、あれはポンデザール(Pont des Arts)というここから数本先にある別の橋です。ただ、ポンデザールの南京錠は2015年に撤去されたとのこと。多くの南京錠がかかっていると欄干に負荷がかかるからというのが主たる理由だそうです。

オルセー美術館には近現代の作品が多いように見受けられます。こちらはブールデルの『弓を引くヘラクレス』。

ロダン地獄の門』。『考える人』はこの作品の一部を抜粋して作られたものです。

さて、オルセー美術館を出た後は再びセーヌ川を渡り、大本命のルーヴル美術館(Musée du Louvre)へと向かいます。

まず中央の広場にあるのが有名なガラスのピラミッド。『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)でジャン・レノが出てきた所です。これが入り口の1つになっていて、広場の地下へと入っていくことができます。ちなみに、奥と右手に見えている建物はこれ全部ルーヴル美術館です。写っていないですが右手と同じような構造で左手にも建物が伸びています。それはもう面食らうくらいでかいです。

やはりこれほどのスポットになると世界中から観光客がくるようで、パンフレットはかなりの数の言語に対応していました。日本語もあります。

上に述べたようにルーヴル美術館はとんでもなく広いのですがその中でもやはりモナリザが目玉扱いされていて、館内には「モナリザはこっち」とデカデカと案内を掲示しています。

大体の絵は部屋や回廊の壁に多数展示されているスタイルなんですが、モナリザだけはこのサイズ感の絵1枚に対してちょっとした体育館くらいの大きさの部屋が与えられていました。

モナリザに次ぐか並ぶくらい目玉なサモトラケのニケとミロのヴィーナス。

ひたすらルーヴル美術館内を見回った後は夕食をとってホテルに戻ります。

夕食はシーフードのお店だったんですが、前日のシャルティエに引き続き白ワインを飲んだところこの日は朝から歩き通しで疲れていたせいか酩酊してしまいました。反省しています。

・3/23 実質最終日

最終日は昼から皆でノートルダム大聖堂があるシテ島に行くことが決まっていたんですが、午前中は未定だったので、「まだルーヴルを見足りない!」という数人と共にルーヴル美術館をおかわりすることに。ミュージアム・パスがあるので2回行っても費用は変わりません。

ヨーロッパの芸術作品だけでなく、わずかではありますがアジアやアフリカ、太平洋地域などの芸術作品も展示されています。あとルーヴル美術館の別館が最近(2017年11月)アラブ首長国連邦アブダビにできたらしいことを知ります。

 *2020/1/12追記:アブダビ編はこちら→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175455

2回行ったところで全部をじっくり見ることはできなかったんですが、まああらかた見れたかなというところで昼からシテ島のサント・シャペル(Sainte-Chapelle)へ。島とは言いますがセーヌ川の中洲のことなので、パリの中心部にあります。

めちゃめちゃ荘厳な教会です。

続いて同じくシテ島にあるノートルダム大聖堂

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まさかこの時はそのおよそ1ヶ月後に火災が発生するなんて思いもしませんでした。1日でも早い修復を願います。

ただ、先日の首里城もそうですが(自分は沖縄に行ったことありませんが)、旅行というのは自分が行ける行けないという都合だけでなく旅行先の状況もまた常ならざるものです。行きたい所には行ける時に躊躇わず行っておくべきだなと切に思います。

シテ島の観光が終わった後はシャルル・ド・ゴール国際空港に移動し、エールフランスで羽田へ。翌24日の到着でした。

 

はじめに述べた通り現時点ではこのフランス旅行が海外としては直近なのですが、近いうちに個人手配で海外へ行く予定があるので、予定通り行ければ次はそのことを書きたいと思います。ではまた。

【フランス】豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿は2時間程度では到底見切れない

前回のモン・サン=ミシェル編(https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/160914)の続きになります。

・3/21 モン・サン=ミシェルヴェルサイユ→パリ

モン・サン=ミシェルでビュッフェ形式の朝食を取った後バスに乗り込みヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)へ。お昼頃に着いたのでまずはヴェルサイユ宮殿のすぐ近くにあるフレンチレストラン「Au Fou Du Roy」で昼食となりました。

主菜はブッフ・ブルギニョンといって牛肉をワインで煮込んだものですが、肉が柔らかくてめちゃめちゃに美味しかったのを覚えています。

さて昼食を取ったらすぐに宮殿の見学へ。設定された時間は約2時間です。

このヴェルサイユ宮殿、宮殿そのものや庭園を含めとんでもなく広いのですが、既に入り口前の広場だけでもこの広さ。

外から見るだけでも立派ですが中に入るとまさに豪華絢爛な宮殿の絵画や調度品の数々が並んでいます。

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有名スポットの一つ、鏡の回廊。多くの観光客が見学に訪れています。

裏手には広大な庭園が。とてもじゃないが時間制限のある団体旅行では見切れません。なので今回はこの視点から眺めるに留めました。

庭園側から見た宮殿です。

 

ヴェルサイユ宮殿の見学が終わったらバスに乗ってパリへ。モン・サン=ミシェルからヴェルサイユまでは4〜5時間ほどかかりましたが、ここまで来ればパリまではせいぜい20kmくらいなのですぐ着きます。

パリに入るとホテルへ向かうついでに市内をざっと車窓観光。途中、一瞬だけエッフェル塔が見える広場で降りて写真を撮ったりしました。

ホテルに着いてチェックインしたら、旅行会社が決めたレールに沿って観光してきたこれまでとは一転して自由行動になります。

とはいえ時間が時間なので、この日は夕食を食べに行くくらいに留めました。

夜の地下鉄に乗って訪れたのはブイヨン・シャルティエ(Bouillon Chartier)というお店。昔ながらのパリの大衆食堂として有名らしくググったら結構出てくると思います。メトロ8番線・9番線のリシュリュー・ドルオ駅(Richelieu-Drouot)の近くにあります。

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入り口はこんな感じ。

ディナーで、しかも結構ちゃんとした美味しいコースが出てきてワインも付く割に2〜3000円くらいとリーズナブル。飲食店の相場は全体的に日本より高く、その中でこの価格はまあまあ安い方かと思われます。

昼に続いて夜もうまいものを食べた所で、この日はホテルに戻って就寝。翌日からがパリ観光の本番になります。

【フランス】世界遺産モン・サン=ミシェルに泊まってきた

青ヶ島に続きまして、思い出し書き編その2です。海外旅行としては現時点から見て直近のフランス旅行を振り返っていきます。時期は2019年3月。海外への渡航自体はこれまでに3回(アメリカ・韓国・香港)経験があったんですが、これがヨーロッパデビューとなりました。

なお、今回に関しては結構まとまった人数のグループで行ったこともあり、個人手配だと流石に大変だろうということで某大手業者の出来合いの添乗員付きツアーに参加したので、青ヶ島編みたいに航空券や現地移動の手配について書けることはほぼ有りません。

目玉は世界遺産モン・サン=ミシェル1泊とパリでの自由行動。その移動途中、オンフルールやヴェルサイユ宮殿などにも寄りました。

 

まず旅行に行く前に、当時身近にフランス人の方がいたので気になる事や注意点などを聞いてみました。

要約すると、「観光地ならフランス語分からなくても英語で大丈夫」「スリには本当に要注意」「店に入る時は店員に挨拶」「ノートルダム大聖堂は絶対行くべき」「フレンチもいいが、クスクスなど中東・北アフリカ系の料理店が多く、日本にはあんまりないので折角だから食べてみるといい」とのことでした。

言語に関しては実際英語で十分対応してもらえたので問題ありませんでした。訛りが強くて聞き取れないということもほとんど無かったように思います。スリに関しては地下鉄や観光地の人混みなど、常にカバンを前に抱えるようにしていれば何事もなく済みました。ただ一緒に行った人の中には面と向かって堂々とチャックを開けに来られたという人もいたので、決して気を抜いてはいけません。

 

能書きが長くなりましたが、ここから旅の内容の話になります。

・3/19 羽田→シャルルドゴール空港

エールフランスで直行。

・3/20 パリ→オンフルール→モン・サン=ミシェル

着いたらすぐに旅行会社が手配したバスでオンフルール(Honfleur)へ移動。それまでオンフルールという場所のことは知らなかったのですが、我々が思い描く「いかにもヨーロッパ」な洒落た港町がそこにありました。

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オンフルールのサント・カトリーヌ教会(Église Sainte-Catherine de Honfleur)。フランス最古の木造教会だそうです。

中はこんな感じ。

 

この教会の前の広場には屋台がいくつか出ていて、フランス北西部の郷土料理であるガレット(蕎麦粉で作った生地を卵と共に焼いたクレープ的なもの)が売られていたので購入。

具は色々あるようですが見ての通りここではソーセージでした。蕎麦粉を使ってるだけあって味は素朴な感じですが、ふわっとした食感なうえジューシーなソーセージの塩分とマッチしていて美味しかったです。食事には少々足りないですが、小腹が空いてる場合にはおすすめ。

 

さて再びバスに乗り込んで世界遺産モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)へと向かいます。

モン・サン=ミシェルはサン・マロ湾という海に浮かぶ島に作られた修道院ですが、この辺りの海は潮の満ち引きが激しく、一面の干潟かと思いきやいつの間にか海になってたりします。

本土からモン・サン=ミシェルへは橋が繋がっており、本土側の町からシャトルバスに乗ることで移動できます(歩道もありますが下の写真を見ていただければ分かるようにめちゃめちゃ遠いのでこれを利用した方が良いと思います)。

本土側の町そのものはこんな感じ。この道沿いにシャトルバスの停留所があります。

モン・サン=ミシェル島内にも飲食店やお土産店、ホテルはありますが、この辺りにも飲食店やお土産、ちょっとした日用品などの店があります。僕は「おフランスのホテルならアメニティくらい置いてるやろ」と思い込んでその手のものを持っていなかったのですが、現地入りしてから宿泊予定のモン・サン=ミシェル島内のホテルに歯ブラシ・髭剃りが無いらしいと知り、もし島内にそういう店が無かったら詰むということで急遽シャトルバス搭乗前にここで購入。ちなみに、歯磨き粉はびっくりするくらい青色でした。日本で見るみたいなほんのり青じゃないです。サッカー日本代表ユニフォームくらい青いです。あと歯ブラシも心なしかビッグサイズでした。髭剃りは使い捨ての10個入りのものでしたが特筆すべきことはありませんでした。

結果として島内にはざっと見た所本当に歯ブラシなど普通の日用品を売っている店は無さそうだったので、もし自分と同じシチュエーションになったらここで買っておくことを強く勧めます。というか、まあ元から持っていけば済む話ですが……。

シャトルバスを降りて目の前まで来たところ。てっぺんにある金色のミカエル像が青い空に映えます。

中に入るとこんな感じにこぢんまりとした参道の両脇に店やホテルや郵便局が並んでいます。

この参道の先、修道院エリアへ登るには入場料が発生します。今回はツアーなので料金に含まれてましたが、公式サイトによると入場料は18歳以下無料、それ以上は10ユーロ(ツアーなど団体の場合は1人8ユーロ)だそう。自分は付けませんでしたが、3ユーロの追加課金で日本語オーディオガイドもあります。

一通り修道院の見学を終えたら夕食。モン・サン=ミシェル名物のオムレツを頂きました。こんなに柔らかいオムレツ食べたことない! ってくらいフヮッフワです。半年以上前ですが今だに覚えてます。ここに来たら是非食べることをお勧めします。

夜になると参道はまた違った雰囲気を醸し出します。

島から少し出て橋の上からライトアップされた修道院を眺めます。条件が良ければ海面に逆さモン・サン=ミシェルが映るんですが、今回は海が十分に満ちていなかったため反射具合は微妙でした。

・3/21

満潮は明くる早朝でした。この時期はちょうど大潮にあたっていたらしく、大潮+満潮でモン・サン=ミシェルの橋が途切れて完全に島になるという一年のうちでも珍しい日だったらしいです。それを狙ってこの日程にしたわけではなかったので完全にラッキーイベントです。ちなみに完全に島になるといっても水深はかなり浅く、ギリギリ沈んでる感じなのでものの5分か10分くらいでまた繋がりました。なのでこれを見るには日程だけでなくかなりピンポイントで満潮の時間を狙わないといけません。自分達の場合は前日に添乗員さんが明日はそういう日で満潮は何時だと教えてくれたので頑張ってその前に起きて見ることができました。

一旦島内に戻ってビュッフェ形式の朝食を取った後、バスに乗り込んでヴェルサイユ・パリ方面へ戻ります。 

【八丈島・青ヶ島】2重カルデラを見に絶海の孤島へ【後編】

前記事(https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/10/20/020416)の続きです。

・3/2 青ヶ島

上陸後はまず島の散策。火山島だけあって地熱による蒸気で食べ物を蒸すことができる地熱釜が公共設備として設置されており、島の言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれています。宿の方に事前に地熱釜で加熱調理する「ひんぎゃ弁当」を注文しておいたので、それと共に地熱釜の前で車から下ろして貰いました。地熱釜の位置は地図中の「ふれあいサウナ」のすぐ近くです。外側と内側のカルデラの間の凹地に位置しています。

ジップロックに入った料理や卵を釜に入れ、蓋をして石のおもりを置き、蒸気のコックを開きます。宿の方と来れば使い方を教えてもらえると思います。

だいたい40分くらいかかるとのことだったので、その間に内側の小カルデラの尾根を一周歩いて回ることに。

こんな感じの山道です。一周ぐるっと遊歩道になっています。

内側カルデラの内部はある種の聖域になっていて立入が禁止されているので、ここから内側へは入らないよう注意してください(と言っても、見た所内側へ下りて行けるような道は無かったと思います)。

内側カルデラの尾根から見る外側の尾根。向こうの方が高いので海はほぼ見えません。

 

一周したら丁度いい時間だったので、地熱釜から蒸し上がった弁当(写真中のアルミホイルとジップロック)を取り出して横の東屋で頂きました。アルミホイルに入っているのはチーズをのせた魚、ジップロックに入ってるのは芋の煮付と、鶏肉・玉ねぎ・シメジのトマト煮みたいなものです。おいしい。

 

ここから、歩いて島を見物しつつ外側の尾根にある尾山展望公園へと登っていきます。だいたい80分くらいのコース。地図だと伝わりにくいですが、かなり起伏が激しいので、まあまあな運動になります。それはしんどいなーという方にはレンタカーもありますが、傾斜だらけな上に車2台がすれ違うには狭い場所がほとんどで、運転難易度はかなり高いと思われますので注意してください。

ちなみに、スタート地点近くのふれあいサウナの横と、途中にある清受寺というお寺にトイレがあります。また、最初に述べた通りもの凄い離島ではありますが、少なくとも自分が行った範囲でdocomoの場合、電波は問題なく届きました。

途中にはこんなところもあるので注意してください。代替ルートがある場合や島の外れなど人が居なくなった場所には荒れた道が修復されずそのままになっているというのがしばしば見られます。

 

登ってゆくと徐々に2重カルデラっぽさがあらわになってきます。

カルデラの外側に出たところで見える海。

尾山展望公園に登ったところから。この島が2重のカルデラになっていることがよくわかります。また、青ヶ島は比較的小さな島なのでこの展望公園に登るとほぼ360度海が見えます。

360度パノラマ写真がこちら。小高い所が若干あって視界が遮られますが、ほとんど全周に渡って海が見えてます。天気が良ければ北側の遠くに八丈島が見えるらしいですが、この時は少々曇ってきたこともあり他の陸地は一切見当たりませんでした。まさに絶海の孤島に来た実感を味わえます。何なら世界の果てまで来たような気さえしました。実際には東京都内なんですけど。

さて今回の目玉である2重カルデラは無事見ることができたので、ここから外側カルデラの北、島の中心地的な集落へと下りていきます。

島にある唯一の店らしい店もそこにあります。観光客用の土産も島民向けの食材等も扱っています。

ちなみに青ヶ島のお土産は「青酎」という地酒がメインとなります。芋も麦もあり、複数の酒蔵が出しているので結構バリエーションがありました。観光地によくあるお菓子のお土産は無かったかと思います。その他、Tシャツやマグネットなどの小物が売られています。

ねこ

青ヶ島郵便局。ゆうちょ銀行ATMもちゃんとあります(恐らくは島唯一のATM)。

宿にチェックインした後は歩き疲れてるのもあって休息。夜は晴れていれば星空が凄いらしいのですが、曇っていたので諦めて早々と就寝しました。少し残念ですが、星空はまたどこかで見る機会があるでしょうし、ここでしか見られない景色はちゃんと見れたのでまあ良し。

 

・3/3 青ヶ島

この日は生憎の雨。午前中は小雨だったので宿に傘を借りて集落内の探索に出ました。

北側に牧場があるようなので見に行ってみます。

こんな道を下っていきます。海に面した崖の上の草地。普段は中々見られない風景です。

ヘリポート付近の神社。

集落内のお店に掲載されている青ヶ島の立体地図。こうして見ると本当に全周が崖なのがよくわかります。

昨日2重カルデラを見下ろした尾山展望公園(上の写真と同じ場所)にもう一度行ってみたら、霧が濃すぎて目の前が真っ白。

島の小中学校です。写真中の道を下って行った先には島内唯一の信号機があります。

 

午後〜夜は雨が強くなったので宿で待機。勿体無いような気もしますが、見所はあらかた見回れたので無理に出歩くことはせず、Amazonプライムで『テルマエ・ロマエII』観てました。

 

・3/4 青ヶ島八丈島→羽田

朝、宿をチェックアウトしヘリポートへ。島の中心エリアから遠く離れた港と違ってヘリポートは集落の中にあるので便利です。船より就航率が高いとはいえ視界不良だと欠航することがあるとのことで、この天気だと少し心配ですが普通に飛んでました。写真は八丈島から飛んできた機体が着陸する寸前のものです。

定員は9人ですが、この日は自分たちプラス島民らしき女性の3人しか乗客がいませんでした。そう考えると別に予約開始待ち構えて電話入れなくても良かったかもしれませんが、それはあくまで結果論なので……。

9:45に離陸。人生で初めてヘリに乗って飛んだんですが、助走なしでGも感じずにフワッと宙に浮くのはかなり独特な感覚がします。あと、映画とかで見るよりめちゃめちゃロータ音が大きいです。乗っている間、すぐ隣に座っていても全く会話できませんでした。

視界には霧がかった海と空しか見えないので速さがイマイチ実感できませんが、72kmを20分くらいで飛ぶので200km/h以上出ます。

 

ヘリは八丈島空港に着陸。帰りの飛行機までは再び八丈島を観て回ります。空港周辺は初日に回ったので、バスに乗って島南部へ。裏見ヶ滝という場所を訪れました。

 

その名の通り滝の裏に回ることができます。

続いて温泉に入りに行きます。

道端にこういう露天風呂もありましたが、少々丸見え感があったので見送り、普通に建物の中にある温泉へ。

タオルが無かったので300円で購入。白無地ではなく、「八丈島」という文字と模様があしらわれた黄色いタオルでした。

 

温泉から出たらバスで空港に戻り、夕方のANAで羽田へ戻りました。

費用は何だかんだで6万台くらいになりました。ちょっとお高めではありますが、ニッチな国内旅行を考えている方にはかなりおすすめできますので、珍しい地形の景色や海が好きな方は検討してみてはいかがでしょう。