現実逃避録

旅行とか趣味の記録

外出自粛中におすすめな映画をとりとめもなく語る

本当は画像にしてツイートにしようと思ったんですけど、おさまらなさそうだったのでこちらで。2020年4月現在NETFLIXやAmazonPrimeで観られる作品の中から個人的なおすすめをネタバレなしで適当に書き連ねておきます。暇すぎて精神やられそうな人は興味があったら観てみて下さい。個人的なおすすめ度順です。

 

アメリカン・ビューティー

NETFLIXで観られますが、配信の有無に関わらずイチオシの一本。1999年のアメリカ映画です。監督はちょっと前公開してた『1917』のサム・メンデス、主演は演技力の鬼ケヴィン・スペイシー

スペイシー演じるしがない中年サラリーマンは、妻とうまく行っておらず一人娘との関係も冷え切っている。そんな中、ひょんなことから娘の友達に一目惚れをしてしまったと思いきや、今度は妻は妻で……と、どこにでもありそうな平凡な家庭がどんどん崩壊への道を辿ってゆくドラマ作品です。

様々な社会の闇要素を散りばめつつ、コミカルだったところからどんどんシリアスになっていく展開を追うところは最近話題になった『パラサイト 半地下の家族』にもどこか通じるものがあるのですが、奇しくもこの『アメリカン・ビューティー』も同じくアカデミー作品賞・監督賞・脚本賞に輝いています。主演男優賞を受賞したスペイシーはもちろんですが、妻役のアネット・ベニング、娘役のソーラ・バーチ、主人公が惚れる女の子役のミーナ・スヴァーリなど、主要なキャストは全員いい味を出しています。

 

『パッドマン 5億人の女性を救った男』

NETFLIXあり。2018年のインド映画です。2000年前後のインドにおいて、生理用品の普及率の低さによる衛生問題を解決すべく、安価でナプキンを製造できる簡易的な装置を開発し普及率の向上に貢献した男の実話に基づく作品。

不衛生な布を使用する妻を看過できず、専用のしかるべき道具を使ってもらおうとするも「高すぎるから」と拒否されてしまう。ならばと自ら安く似たようなものを作ろうとするが上手くいかず、周囲からは女の股のことばかり考えている変態だと非難され、ついには村を追われる事態に。実話系社会派ドラマ作品ではありますが、ものづくりやビジネスに関する観点からも見応えのある一作。2時間で見ることができ、踊りのシーンもそんなに沢山ではないで、インド映画入門編としても最適だと思います。

 

グランド・イリュージョン

NETFLIX・AmazonPrimeあり。2013年のアメリカ映画です。マーク・ラファロウディ・ハレルソン、大御所のモーガン・フリーマンマイケル・ケインとキャストは豪華。あっと驚くトリックが魅力的なエンターテインメント作品で、様々なトリックを駆使して盗みを働く4人組マジシャンとそれを追う捜査官を描いた映画ですが、トリックの種明かしはちゃんとあるし、いい意味で予想を裏切る展開が続くので観ていてとても楽しい一本です。

続編の『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』もネトフリ・アマプラ両方で視聴可能。『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフが初めて挑んだ悪役の演技にも注目したい1作。

 

『お嬢さん』

AmazonPrimeで課金で観られます。『オールド・ボーイ』『JSA』などのパク・チャヌク監督による2016年の韓国映画一言で表すと「ドスケベ変態バイオレンスサスペンス」とでも言いましょうか。舞台は1939年の朝鮮。日本人華族の娘と結婚するため、"藤原伯爵"と名乗る詐欺師が根回しのため手下の女を女中として邸宅に送り込みます。徐々に親しくなってゆく女中と娘。しかしながら、その家にはとんでもない裏の顔が......。

健全な青少年諸君にはとても見せられないドギツいフェティシズムエロシーンの爆弾盛りみたいなR指定映画でありながら、よくできた構成で面白いサスペンスドラマになっていて、セットや衣装も美しく見応えがあります。しれっとカンヌで美術スタッフが賞をもらっているし、英国アカデミー賞では外国語映画賞に輝いているところからもただのB級エロチック映画ではないと察してほしいところ。キャストは全員韓国人ですが、実に台詞の体感約半分が日本語なのも見所の一つ。

 

『レオン』

NETFLIX・AmazonPrimeあり。1994年の仏米合作の英語映画。隣人の少女マチルダを殺されそうな状況からとっさに匿った孤独な殺し屋レオンと、弟を殺された復讐のためレオンから殺しを学ぼうとするマチルダの交流を描いたアクションドラマ作品。

レオン役のジャン・レノや悪役のゲイリー・オールドマンの渋さ極まる雰囲気はもちろんですが、これが映画デビューであるナタリー・ポートマン(当時13歳くらい)もとても初めての映画とは思えないほどの素晴らしい演技力で観る者を魅了します。哀愁たっぷりな余韻に浸らせてくれるエンディングテーマ『Shape of My Heart』(Sting)も最高。

 

『セブン』

NETFLIXあり。『ファイト・クラブ』などのデヴィッド・フィンチャー監督による1995年の映画です。7つの大罪すなわち「大食」「強欲」「色欲」「高慢」「憤怒」「傲慢」「嫉妬」をテーマとする連続殺人が起こる宗教サイコサスペンスで、ブラッド・ピット演じる新任刑事とモーガン・フリーマン演じるベテラン刑事がこれに挑む……という内容。エグくて胸糞の悪い殺し方ばかりなので万人に勧められる映画ではないですが、犯人役俳優の不気味極まる怪演と四半世紀経った今でも語り草になっているラストシーンに加え、意図的なノイズや強いコントラストを駆使して印象的に仕上がった映像は一見の価値があると思います。OPとEDのキャストクレジットにも一仕掛けあるのが憎い。

 

『きっと、うまくいく』

AmazonPrimeにあります。インドの名門工科大学を舞台に3バカトリオが繰り広げる様々な騒動を描いたインド産コメディ映画ですが、同国で加熱する学歴至上主義社会に一石を投じ、大学の存在意義を、そこに通うことの本来の意味を問いかける社会派作品的な面もあります。そういう関係でシリアスなシーンも結構あるんですが、インド映画らしく歌って踊るシーンは満載で、『きっと、うまくいく』の邦題通りだいたいのことは丸くおさめてしまう楽しい映画となっています。3時間弱あるので今みたいな家での時間が十分ある時に是非観てみてほしい一作。

 

アメリ

ネトフリアマプラ両方あり。オシャレの塊みたいなフランス産ロマンチックコメディ映画。空想好きでコミュ力低めのカフェ店員アメリ・プーランを主人公とし、パリのモンマルトルを舞台にした日常もの作品(といってもまあまあ非日常的なことを起こしているが……)。主人公も大概変わった人ではあるが気になる男性として登場する男もまあまあ変な人であり、そこらへんのブラックユーモアやシュールな笑い所も特徴

サクレ・クール寺院ノートルダム大聖堂などパリの名所も登場し、観光映画としても見どころ満載。また、主人公アメリが勤めているカフェもモンマルトル地区に実在するもの。気分だけでもパリに行ったような気になれます。

 

シャッター アイランド

両方あり。巨匠マーティン・スコセッシによる2009年のミステリー映画。レオナルド・ディカプリオ演じる連邦保安官のテディは、マーク・ラファロ演じる部下と共にマサチューセッツ湾の孤島にある精神病院を訪れます。この島では、レイチェル・ソランドという女性患者が「The law of 4. who is 67?」という謎のメッセージを残して行方不明になっていました。

意味深すぎる出来事の連続に、考えようによっては2通りの意味に取れるストーリー展開。今目の前で流れている映像からどれだけ違和感を感じ取れるかによって見えてくるものが変わる、非常に面白いミステリー作品だと思います。

 

遊星からの物体X

アマプラ課金コンテンツ。南極基地という閉鎖された空間において、他の生物と同化・擬態する生命体「物体(The Thing)」に浸食される恐怖を描くSFホラーの傑作で、この手の映画の中ではかの『エイリアン』に並ぶ名作かと思います。誰が「物体」か? と疑心暗鬼になる人狼的な面白さや極限状態に追い込まれた人間模様もさることながら、CGなどなかった1982年当時の特撮によって造形された「物体」の本性は生々しいグロテスクさを持ち、観た後トラウマになって夢に出るのではないかと思うほどショッキングな一作になっています。さっきまで人間だったものが突如として形容しがたいグチャグチャの生命体に変身するシーンの生理的気持ち悪さときたらもう『バイオハザード』も真っ青なレベル。

続編の遊星からの物体X ファーストコンタクトはネトフリ・アマプラ両方で普通に観れますが、先にこっちを観てからの方が絶対面白いです。

 

JSA

アマプラにあり。上に述べた『お嬢さん』と同じパク・チャヌク監督の2000年の作品です。南北朝鮮の軍事境界線上にある共同警備区域(Joint Security Area)北朝鮮側で、朝鮮人民軍の将校と兵士が韓国軍兵士によって射殺される事件が発生。調査の結果、事件に先立って韓国兵2名が無断で北側に越境し北朝鮮側の兵士2名と交流を深めていた背景が明らかとなる……。

南北ネタの韓国映画では多分トップクラスに有名な作品。事件がなぜ起きたのか、本当に射殺した犯人は一体誰なのかというミステリー要素もありつつ、分断国家という題材を強い悲壮感と共に描ききった名作。イ・ビョンホンが韓国軍兵士、後に『パラサイト』で主演を務めるソン・ガンホが人民軍兵士として出演してるんですが、この2人が対面して取り調べを受けるシーンが個人的に推しシーンです。

 

『LIFE!』

アマプラ(課金)にあり。『ナイト ミュージアム』のベン・スティラー監督兼主演作(2013)。出版社でフォトグラフ雑誌『LIFE』のネガフィルム管理者として働くしがない主人公だったが、会社の事業再編で雑誌が廃刊になることに。最終刊の表紙の写真を指定されるも、該当するフィルムが社内にない。主人公はリストラの嵐が始まる中、フィルムのありかを知るであろう写真家を追ってグリーンランドアイスランドへと旅に出る……。

アイスランド雄大な自然を浴びるほど堪能できる良質な旅映画で、これを観ればきっと旅に出たくなる(今は無理だが)。挿入歌として使用されているアイスランドのバンド「Of Monsters and Men」の『Dirty Paws』という曲もおすすめ。というか、Of Monsters and Men自体がおすすめ。もっと流行ってほしい。

 

鍵泥棒のメソッド

ネトフリアマプラ両方あり。堺雅人香川照之というどっかで見たようなコンビが主演のコメディ映画(2012)。堺雅人演じる売れない俳優は、人生に絶望し自殺しようとするが失敗。その後銭湯に行ったらたまたま香川照之演じる金持ちそうな男が石鹸に躓いて盛大に転び頭を強打する現場に遭遇するのだが、それに乗じて咄嗟に男のロッカーの鍵と自分のロッカーの鍵をすり替え、彼の家に上がり込むと、何と彼が殺し屋らしいことを悟ってしまう。主人公は成り行きで殺しの依頼を受けてしまった一方、男の方は記憶を喪失し自分が売れない俳優らしいと思い込んでしまう……。「え、そうだったの?!」という意外な展開もあり、楽しんで観ることができる作品。

【UAE】ドバイ発砂漠ツアー&ドバイ市街観光

前回はこちら→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/02/01/193616

UAE&オマーン編最終話です。

・12/27 ドバイ

オマーンのマスカットを定刻(15時)通りに出発したバスでしたが、UAEの入国審査が長いのと渋滞してるわけでもないのにシンプルにバスが遅い(スケジュール通りに到着する意志がなさそう)のとでドバイのアブ・ヘイル駅に着いたのは実に深夜1時過ぎ。メトロの終電もとっくに過ぎてるので、仕方なくタクシーを拾ってホテルの前へ直行し、とっととシャワーを浴びて就寝。3つ前の記事で書いたように元々日本で予約したドバイのホテルから水漏れでドタキャンを食らったので、アブダビにいたときに急遽手配したホテルです。

この日は昼からオリエントツアーズのデザートサファリを予約してましたが、金曜朝はイスラームのお祈りの時間でめぼしい店や観光地が営業してない可能性があったのと夜行バスがキツいことも見越して(英断)朝は特に予定がなかったので、ゆっくり目に起床。デザートサファリの迎えは時間になると宿泊先の目の前まで車で迎えに来てくれます。急な宿泊地の変更にもきちんと対応してくれました。

ただ自分達が宿泊したデイラ(Deira)地区は安宿こそ多くありますがお世辞にも高級な土地柄ではなく、ドライバーは開口一番「君たちはなぜこんなところに泊まっているんだ?」と。

「ここは中古家具とかを取引しにくる業者が滞在する場所で観光客が来るとこじゃあないよ」と言われました。しかも、乗り合わせる他の客にこの土地を見せたくないので敢えて僕らのところに最初に来たらしいです。他の2組はそれぞれチェコとブラジルから来た中高年の夫婦でしたが、どちらもめっちゃ綺麗な5つ星ホテルから出て来たので納得せざるを得ません。これが格差ってやつか。

さて、客が揃ったところでドバイ市街を離れ、砂漠の方へと1時間ほど走って行きます。途中売店みたいなとこで1回休憩がありますが、砂漠あるツアー会社のサイトに着くまでトイレがないので必ず行っといて下さいとのこと。

高層ビルが林立するドバイですが、ちょっと内陸に入るとこんな感じ。

スタート地点に着いたところ。地図によるとドバイではなく隣のシャルジャ領内のようでした。ここでその日ツアーに参加する全車が揃うまでしばらく待機となります。

何十台と似たような車が集まるので自分の車のナンバーは忘れないよう注意。ちなみにめっちゃ日本人いました。大体家族かカップル。オマーンとはだいぶ旅行者の層が違います。

ここでタイヤの空気が少し抜かれ、4WDによる砂丘ドライブが始まります。

まじで下手な遊園地よりもよっぽどアトラクションです。楽しいけど、酔いやすい人は酔い止め飲んだ方がいい。

途中一回休憩ポイントがあり、何もない砂漠で降りることができます。

写真を撮りまくるもよし砂丘を駆け回るもよしルーク・スカイウォーカーごっこするもよし。

砂丘ドライブが終わるとラクダの飼育スペースを見れたりします。業者が飼ってるやつなので大丈夫かとは思いますがMERSのウィルスを保菌してる可能性がないとは言えないので念のため唾がかかったりはしないよう注意。

ディナーと出し物のあるサイトに到着。バギーと飲酒以外は何しても基本料金に含まれています。

ラクダ(病気対策か口にカバーをしている)に乗る体験もできます。数十秒くらい。乗ると側から見るよりかなり高い上、降りるとき急にガクンと脚を曲げるのでちょっと怖い。

ラクダの横では鷹匠のショーをやってたりもします。この鷹は後ほど自分の腕に止まらせて写真を撮ることもできます。

サイトの中ではディナーのほかシーシャやアラビアンコーヒーも楽しめます。最近日本でもちらほら聞くシーシャですが、確かに甘い香りがしてハマる人がいるのも分かるなって感じ。非喫煙者(これが現状唯一の喫煙経験)なので紙タバコと比べてどうとかは分かりません。

日没のちょっと前には空がこんな感じになって非常に綺麗。

中央のステージでは色んな踊りとか大道芸みたいな出し物が続きます。火吹きながらファイアーダンスするのとかもある。

ディナーはビュッフェ形式。各種野菜やナンのような薄いパンにビリヤニが2種類ほど、肉は牛鶏羊の3種。当然ながらイスラーム圏なので豚はありません。

最後の出し物であるベリーダンスが終わったら各自乗ってきた車に戻り、ホテルまで送ってもらいます。

・12/28(実質最終日) ドバイ

最後は2日目に登れなかったブルジュ・ハリファへの出直しを含めドバイ市街の観光。

予約時にメールで送られたQRコードを見せるとチケットが貰えます。受付から展望台にたどり着くまでにはまあまあかかる(1時間くらい)ので時間には余裕を持って。

並んでいる横ではここブルジュ・ハリファがロケ地となったブラッド・バード監督の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のメイキング映像が流れています。

展望台からの眺め。

こうしてみるとまだまだ土地が余りまくってて、伸び代がたくさんあることがよくわかります。さてこの都市は一体どこまで成長するんでしょうか。

こういうインスタ映え的アートもあったりします。背中を合わせて写真を撮る用なんですが、まあまあ並んでたのでそこまでして撮らなくてもいいかなと人が入れ替わる瞬間に絵だけ撮っときました。

屋外スペースもちゃんとあります。

展望台といっても実はブルジュ・ハリファ全体からいうと真ん中くらいの階。まだまだ上に続いています。

ちなみにブルジュ・ハリファの受付の前にある土産物屋ではドバイ警察のスーパーパトカー(ポルシェとか)のラジコンが売ってたりする。実物見たかったな。実際には起亜のパトカーしか見かけませんでした。結構期待してたんですけど、まあ流石のドバイと言えどパトカー全部がこんな車なわけないわな。というか、パトカー以外にもドバイの街を走ってる車自体もっとポルシェ! フェラーリ! ランボルギーニ! 石油王ワールド! みたいな感じだとちょっと期待してたんですけど実際には体感9割くらいトヨタでした。日本以上にトヨタ率高かったです。これが現実か...

噴水前の広場に出るとちょうどショーの時間でした。昼に見るとまた印象が違います。

噴水のプールを挟んでドバイモールと向かいにあるスーク・アル・バハール。スークといっても前回のマトラ・スークみたいなマジの市場と違って高級デパートです。

こんなショッピングモール来ても歩行と呼吸しかできない。

昼食はフードコートでケバブサンド的な物を注文。店員の英語が聞き取れなさすぎて「Vegetable, OK?」みたいなこと言ってるのがかろうじて分かる程度だったので、「ああピクルス付けますか的なこと聞いてるんだろうな」と思って「(何でも食べれるから)OK」と答えたんですがどうもサンド内にアボカド(追加課金)を入れるかどうかとコーン(追加課金)を付けるか聞いてたらしくかなりのボリュームのものが出てきました。ただアボカドもコーンも結構美味しかったからいいです。

ちなみに友人はマクドナルド食ってました。

さて、その後はダウンタウンドバイを離れてメトロに乗ってアル・ファヒーディ駅へ。ドバイ博物館をはじめかつてのドバイの姿を残した歴史地区があるところです。

 

入場料は3Dh(約90円)です。

外からでも見える大きな船が目印。

パイレーツ・オブ・カリビアン』にでも出てきそうな旧式の銃器なんかも飾ってあります。

今のドバイからは想像もつきませんが戦前はこんな感じだったようです。当時、将来ここに世界一高いビルが建つと誰が想像しただろうか...

蝋人形による当時の生活風景の再現もかなり多くあります。

もっと古い時代の考古学的な展示もあります。

博物館を出て歴史地区へ。歴史地区とはいっても昔の建物が残っているわけではなくあくまで再現されたものです。

夕方になってくると結構綺麗。ちょうどモスクからアザーンが流れてくる時間でもあるので、風景にマッチして異国情緒をたっぷり味わうことができます。

さて、最後はドバイのゴールド・スーク(Gold Souk, 金市場)をちょっと見物に行きました。メトロのアッ・ラース駅(Al Ras)からしばらく歩いたところにあります。

どこもかしこも金製品の店ばかり。ただお金持ちならダウンタウンドバイとかにある有名ブランドの店に行くと思うので、こういうベトナムカンボジアに似た波動を感じる客引きだらけの市場にある商品がどのくらいモノホンな質なのかは怪しいもんな気もしますが...

少なくとも冷やかす(?)分にはとても楽しいところです。金ピカだし。

見てる分にはすごいけど、ここまで派手なアクセサリーを「これいいな! 付けたい! 買おう!」っていう人いるのかは分からん。

ゴールドスークを出た後はアッ=ラース駅からメトロに乗って空港に到着。

・12/29 中国南方航空 ドバイ→広州→大阪(関空

深夜2時頃の便で広州へ向け離陸。

機内食(チキン)。

行きは羽田から来ましたが、年末ということで都内の現住所ではなく関西某所にある実家へ向かうため、関空への便へ乗り換えです。同行した友人は東京の人なので一足早く羽田の便に乗って行きました。空港内ではありますが、初めて海外で完全ソロ状態。

とはいってもせいぜい蘭州ラーメンを食べるくらいしかしてませんが...。

面白いのは、ベトナムカンボジアUAEの客引き商売の人は確実にこちらを日本人と見抜いてくるのに、当の中国の人は機内の乗務員にしろ空港内の店員にしろ大体中国語で話しかけてくるんですよね。

関空に着いたら検疫のところで「中東でラクダと接触した方は申し出てください」との掲示があったので申告。なんか書類書いたりして「何かあったらここに連絡してください」的な感じでしたが、結局お世話になることはありませんでした。帰ってきたすぐ後に米イラン関係の悪化で中東情勢が緊迫化したり乗り換えに使った中国では感染症が発生するなどなかなかキワどいところでしたが、何事もなく終わってよかったです。

というわけで、おしまい。国内外とも次回いつどこに旅行するかはこれを書いている2/1現在全く決まってませんが、そのときはまた更新します。

【オマーン】マスカットはめちゃめちゃいいぞ。

前回→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175625

ここから詳しく述べていきますが、マスカットは綺麗でめちゃ良いところだったので「海外旅行行きたいけどベタっぽいとこ以外がいいな」って諸氏は是非前向きに検討してほしい。

 

・12/25 マスカット

ドバイ23時発の夜行バスに乗り込み、オマーンの首都・マスカット市内のアザイバ・バスターミナルに到着すること朝7時過ぎ。現地で何とかする気満々でオマーンの通貨(リヤル)を一銭も持たずに来たのですが、想像以上に周囲に何もない。ただバス会社の人によれば幹線道路沿いに10〜20分歩くと「アル・ミーラ」というスーパーがあって、そこで両替ができるとのことだったので、同じ夜行バスに偶然乗っていた一人旅の日本人のおじさん(同じくリヤルを持っていない)と3人で歩いて向かうことに。

このおじさん、若い頃から色んな国を訪問してる割と旅慣れた方で、話を聞くと内戦前のシリアなんかにも行ったことがある猛者でした。いいなシリア。全てが終息したらシリアとかイラクには行ってみたいんだよな。

で、そんなよもやま話をしつつ到着したわけですが、この時点で7時45分くらいだったと思います。開くのは8時だったので待機。朝早いのもあって準備中の店員以外ほとんど人気がありませんでしたが、しばらくすると若い中国人の女の人が一人登場。開かないドアを前に右往左往していたのですが、確か同じバスに乗ってた人な気がすると思い、

「まだ開店してないけど、あと数分で開きますよ」

とかなんとか言って英語で話しかけてみました。話を聞くに、確かに彼女も我々3人と同じバスでドバイからやってきて、現金は持っているがSIMを買いにきたとのこと。

さて、8時になり無事両替が可能に……と思いきや、ところがどっこい。開いたのは食料品売り場だけで、SIM売り場は9時から、外貨両替はなんと10時からとのこと! 「え……どうするこれ……」となる一同。すると、中国人女性は「あなた達これからどういう予定なの?」と聞いてきます。

僕「俺ら2人はこれからスルタン・カブース・グランド・モスクに行くつもりですけど…」

おじさん「夜にはここに戻ってきてサラーラ(Salalah, オマーン南部の都市)行きのバスに乗るけど、それまでは何も予定がないので、どこか行くなら折角だから付いていきます」

女性「じゃ私もそのモスク行くから、ひとまずタクシー代立て替えてあげる」

僕「いいんですか? でもそちらのご予定は…」

女性「私ほぼノープランだから。泊まるホテルすら決めてない。」

マジ……? 強過ぎか。

かくして偶然集まった4人でモスク観光へ向かうことに。彼女がいなければマジで10時まで虚無な時間を過ごす羽目になっていたので、こんなありがたいことはなかったです。

ちなみに女性は小さいバッグ1個しか荷物がなくて、「まさか中国からこれだけの荷物と完全ノープランで一人で来たのか? 度胸ありすぎでは?」と思ってましたが、聞けば住んでいるのはドバイだそう。ああ道理で軽いノリで来た感じなわけだ。

スルタン・カブース・グランド・モスクは、アブダビにあるシェイク・ザイード・グランド・モスクと同様、入場無料。女性にはスカーフの貸し出しもあります。朝だったのもあるかとは思いますが、ザイードモスクほど混んでません。というか、全体的にマスカットはドバイやアブダビと比べると観光客が少ないように思います。観光地として魅力がないかというと決してそんなことはなく、非常に美しく治安も良いのでもっと流行ってもいいと思うんですが、落ち着いてるのも良さの一つかなあと。

豪奢なインテリアで飾られた巨大で派手な純白のザイード・モスクとは対照的に、ここカブース・モスクは質素な砂色の壁面と木製の内装など、割と地味めな外観でありながら隅々まで美しく手入れされ、シックな高級感のあるモスクとなっています。個人的には、この2つのモスクの印象がそのままUAEオマーンという2国の雰囲気を反映しているような気がします。

写真からも見て取れるように足元は綺麗な光沢のある大理石であり、これに雲ひとつなく晴れ渡った中東の青空が加わることによってとてつもなく眩しいので、サングラスの持参を強くおすすめします。

さて、モスクを見終わったら再びタクシーに乗り込み、マスカットの中心地であり予約したホテルの存在するルイ(Ruwi)へ向かいます。数年前までムワサラットのバスの拠点があったところです。

バリバリ営業してる両替所があったので、無事オマーン・リヤルを入手。3000 UAEディルハム(約9000円)を31リヤルに交換しました。1リヤルはおよそ300円。恐ろしく高い通貨ですが、下位通貨であるバイザ(1000バイザ=1リヤル)が存在するので物価自体はそれほどでもないです。このお金でタクシー代を立て替えてくれた中国人女性に返金。まじで助かった。ありがとう。その方とはここでお別れし、おじさんを含めた3人で昼食へ向かうことに。折角だからローカルな料理を食べてみたいということで、地球の歩き方に載ってたオマーン料理店へ。

ルイ地区のランドマークらしい時計塔。ここから徒歩圏内にその店はあります。

絨毯を敷いた床に直接座って食べるのが伝統的なスタイルらしい。手前(自分)はラクダ肉のビリヤニ、他の2人はアラビアンカレーみたいなやつ。自分は変わった食材のメニューがあるとどんな感じか気になって頼んでしまう傾向があるんですけど、特にラクダは以前高田馬場の「米とサーカス」というゲテモノ料理店にネタで行ってみたときに食べられなかったので、折角中東に来たのもあるしということで注文してしまいました。ただ焼きかたの問題もあるでしょうが堅くて歯応え満点でしたね。正直格別美味しいって感じではないです。はい。

ただ帰国したとき知ったんですが中東呼吸器症候群(MERS)の感染源がラクダで、しかもオマーンが発症例の多さ2位(1位サウジ)らしいのでまあまあな冒険してたっぽいです。ま、堅くなるくらい火が通ってたからか結果としては大丈夫でした。

昼食後、とうとうおじさんとも別れパーティ人数は元の2人に戻ります。

ホテルまで徒歩で向かいましたが、同行した友人曰く「カリフォルニアっぽい」。うーん、西海岸行ったことないけど確かに分かる気がする。岩山とか生えてる木とかの感じが。

ホテルはザ・場末って感じの場所。建物と建物の隙間の奥にある感じだったのでメチャ分かりづらい。

外見は少々さびれた感じでしたが、ロビーはまあまあ綺麗。上の写真にはいないですが、チェックインした時には左手のソファに日本人観光客の若い女性が座っていました。オマーン、見たところ日本人観光客めちゃ少ないんですけど、ピンポイントに行く先々でばったり遭遇するっていう。ちなみにこの方、世界一周1人旅の真っ最中でこの時点で5ヶ月目とかそこらだとか。この時はオマーン南部(サラーラ方面)から来てマスカットに着いたばかりのタイミングと言ってた気がしますが、ともかく「めちゃめちゃ久しぶりに日本人に会った!」と言われたのを覚えてます。

自分たちとしてはホテルに荷物を置いてからマトラ地区〜オールドマスカット地区をぶらつこうと考えてたんですが、こんなところで出会ったのも何かの縁ということで3人で向かうことになりました。

マトラ・コルニーシュ(Mutrah Corniche)。海に沿って美しく湾曲した歩道が続きます。そばにはマトラ・スーク(Mutrah Souq)という市場があるんですが、夕方から本格的に営業し始めるということでまずはオールドマスカットまで海沿いを散策することに。

こんな感じのモニュメントが一定距離おきにあったりもする。

マトラ地区を見下ろす高台にはマトラ城塞(Mutrah Fort)が建っています。上の写真を左に行って裏に回ったところから登ることが可能。

大砲なんかも置いてあったりします。

これがてっぺん。

砦をおりてさらに東へ進んでいくとオールド・マスカット地区に入っていきます。

観光地ではない普通の街中のモスク。

カラフルな外装が特徴的なアル・アラム宮殿(Al Alam Palace)。まあ、裏手側なんですが...正面側へ回ろうかとも思いましたが結構道が入り組んでるようだったので、かなり歩いたし、いい時間にもなったのでここでタクシーを拾ってマトラへ引き返しました。このオールド・マスカットには国立博物館なんかもあったりするんですが、それはまたの機会(あればですが)に残しておくことに。

ちなみにここまでぶらついてくる中でその世界一周中の女性から色んな話を聞きましたが、プライバシーに深く関わりそうなことを除けば「今まで行った国でどこが良かったか」というこちらの問いに対して「アゼルバイジャン」と返ってきたのが印象的ですね。あと中東だとヨルダンやパレスチナが良かったとも。ともあれこの方との出会いによって、世界というものは自分が漠然と「世界にはこれくらい色んな物事がある」と想定してるより遥かに広く深く複雑だってことを垣間見たように思います。

で、そんな彼女の「オマーンのお茶はおいしい」という証言に基づきここで一息。甘いチャイみたいな感じで疲れた時に飲むと良さそう。

いざ本格的に店が開き始めた夕暮れ時のスークへ。

ザ・中東って感じの小物土産とかがいっぱい売ってます。ベトナムカンボジアよろしく値交渉制なので、色々粘って結局ハンジャル(アラブ風の曲がった短剣)のレプリカとか記念品を数点購入。

マトラスーク内部は迷路っぽいカオスな構造になっています。

スーク物色を終えた後は自分たちが泊まってるホテルの近辺にあるホテルでディナー。ゴリゴリのイスラーム圏であるオマーンですが、外国人にも飲酒を許さないらしいサウジなどとは異なりホテルレストランなど特定の場所であればお酒を飲むことができます。

いやしかし、かなり濃い一日だった。

・12/26 マスカット→ドバイ

翌朝、しばらく待ってみましたが当の女性が起き出してこなかったので(そもそもどの部屋か知らないし)、SNSでお礼とご挨拶を入れて2人で出発。

コルニーシュにもう一度行ってみたら海鳥が沢山いて素晴らしく映える景色になってました。前日の午後と違い満潮で変に岩が見えてない点もグッド。

砦方面は既に見たので、魚市場をちょっと冷やかしたり。その後バスに乗り込んで王立歌劇場へ向かいました。

ルイ(Ruwi)のターミナルで乗り換え。

市内バスはこんな外観。UAEと違い、現金で乗車。

王立歌劇場(オペラハウス)はバス停からすぐ。隣接したショッピングモールの入り口まで徒歩1分くらいです。

オペラハウスはカブースモスク同様に足元がピカピカな上にこちらは真っ白なので、サングラスないとマジで目開けてられないです。

いやはや、お金持ってるなあ。

ちなみにやりとりは少なかったですがここでオマーン通算3人目の日本人観光客に遭遇。上記のオペラハウス正面で写真を撮ってあげる代わりに自分たちのも撮ってもらいました。

オペラハウスを一目見た後はそこからしばらく歩いたところにある商業施設で昼食(オペラハウス近辺はまあまあセレブな店しか無かったので...)。浜辺のそばのテラス席でトルコ料理を食しました。

羊肉、好きなんですよね。よく臭いって言われますが僕はあの独特な風味が好きです。

テラス席から見える海

オペラハウス前に戻り、市内バスに乗ってアザイバのバスターミナルに帰還。15時発のバスでドバイへ向かいます。ただ出発は定刻でしたが到着がめちゃめちゃ遅れてドバイ着が深夜1時回ったのでロシア人男性がブチ切れてました。主な原因としては出入国審査が長かったこと。UAEの入国審査、空港がザルだったのに比べ陸路だとだいぶ厳しかったです。ちょっとでも気になるものがあった人は全員居残らせて一人一人カバンをひっくり返す勢いでした。

ちなみに途中のソハール(Sohar)でスルタン・カブース・グランド・モスク・ソハールを一瞬ながら車窓から見ることができました。青色が美しいモスクで、今回行こうか検討したんですがこのためだけにソハールに寄る時間的余裕がないなあと断念した場所です。

最初の記事で書いた通り、今回の旅はアブダビのザイードモスクを目玉としていてどちらかといえばオマーンはおまけのつもりでした。ただ実際マスカットを訪れてみると街並みも非常に綺麗で治安もよく、マスカット以外にももっとこの国を見たい! と非常に強く感じます。いつかもう一度オマーンに来てワディ・シャーブやニズワ、ソハールとかも含めて巡ってみたいなあ。

【UAE】ダウンタウンドバイの夜 + はじめての陸路越境

前回(アブダビ編)→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175455

・12/24(続き) ドバイ→UAEオマーン国

ドバイのアル・グバイバ行きの長距離バスでアブダビを14:30に出たのち、終点の少し前のアル・ジャフィリヤ駅で降りてメトロに乗り換え。マスカット行きの夜行バスは22時半集合なので、それまでブルジュ・ハリファのあるダウンタウンドバイへ行くことに。アル・ジャフィリヤ駅から南へ戻ること4駅で最寄駅「ブルジュ・ハリファ/ドバイ・モール駅」に着きます。

ドバイ・モールはブルジュ・ハリファのすぐ横にある超巨大ショッピングモールで、駅に直結しています。

外から見るとこんな感じ。左手奥に見える渡り廊下が駅に直結している通路です。

外からブルジュ・ハリファを見上げる。ちなみに展望台への入り口はドバイ・モールの地下にあり、外から直接ブルジュ・ハリファに向かっても登れませんので注意。この地上124・125階が「At the Top」という展望台、そのさらに上の148階に「At the Top SKY」という展望台があります。

 

ドバイ・モールの「LG階」と表示されている地下階に入り口があります。登るつもりで来たんですが、12月24日だからかも知れませんが予約客でいっぱいとのこと。1万数千円する「At the top SKY」なら空いてましたが、流石に高すぎるのでこの日登るのは諦め、その場ですぐ12/28(この旅行の実質最終日)の昼前のオンライン予約を取っておきました。

ただ折角ここまでは来たので夜のダウンタウンドバイを楽しむことに。ドバイ・モールの駅と反対側にあるドバイ・ファウンテンでは30分に1回、約3分くらいの噴水ショーが実施されています。音楽やブルジュ・ハリファのイルミネーションも伴っていて非常に美しい。圧倒的な財力を感じます。

こちらはドバイ・ファウンテンのモールと反対側に建つオペラハウス。

スーク・アル・バハール。

食事はドバイ・モールの中に戻ってフードコートのイラン料理点でビリヤニを注文。左側の白いのはヨーグルトに野菜が入ったサラダです。

さてダウンタウンドバイを後にし、夜行バスに乗る前にキャンセルされたホテルに返金交渉に向かいます。ユニオン駅からしばらく歩いたデイラ地区(Deira)の一角なのですが、先ほどまでいた煌びやかでセレブ感に溢れた空間から一変し、ホーチミンシェムリアップでも目にしたようなアジアの場末の雰囲気を漂わせてきます。取るときには大して考えてなかったけど、まあそりゃドバイみたいな高級観光都市において安宿なのには相応の理由があるわな……。

歩道一面に散らばる風俗と思しき宣伝カード。これが散らばった夜道の上を何食わぬ顔でアバヤを被った女性が歩くというギャップある光景が非常に印象深かったです。どんな教えや文化があろうとも、人が暮らす場所である限り人の業は必ずそこにあるということなのでしょう……。

で、肝心のホテルからは「我々もまだAgoda(宿泊予約に利用した仲介業者)から金を貰っていない。Agodaに連絡してくれ」と言われたのでその通りにすることに。テキトーなこと言って誤魔化されてるのか? と疑いもしましたが、結果的にはそれでちゃんと返金されました。

さて用事も住んだところで初日にチケットを買いにきたアブ・ヘイル駅に向かい、いよいよマスカット行きの夜行バスで人生初の陸路越境へ旅立ちます。

バス搭乗時にはチケットとパスポートの提示を求められます。車内にトイレはないので、乗る前に駅のトイレに行っておきましょう。 ちなみにこのバス、時刻表だと6時間20分くらいでマスカットのバスターミナルに着くとされていますが結果から言いますと8~9時間はかかるもんだと思っといた方がいいです。また、バスの車内では氏名・国籍・パスポート番号を記入する紙が回されます。

・12/25 UAEオマーン国境→マスカット

出入国の施設は写真NGだったので基本文章のみになります。

アブ・ヘイルを出て2~3時間くらいでハッタ(Hatta, حتا)の国境の事務所に到着。ここでバスを降り、出国手続きに入ります。UAEから陸路で周辺国に向けて出国する場合、35Dh(約1050円)の出国税を支払う必要があります。なのでまず出国税を払う窓口(確か向かって左側)に並び、その領収書のようなものを持って出国スタンプの列(右側の窓口)に並びます。まあ乗客全員同じことをするので周りの人に合わせれば問題ありません。ちなみに出国税の支払いはクレジットカードに対応しています。

でそれが終わったらバスに乗り込み5~10分ほど走り、今度はオマーン側で荷物検査を受けます。何故か吹きさらしの屋外でやるので砂漠の夜は冷えることもあってかなり寒いです。道路脇に無造作に置かれた机の上に荷物を置き、自分の番になったら開けて中身を見せます。係員によるのかもしれませんが結構雑で、チラッと見て終わり。事前にググった情報だと麻薬犬が出てくるという話もありましたが、そんな展開はありませんでした。

バスに戻ってさらにしばらく走り、オマーンの入国審査の事務所へ。何故荷物検査をここでやらないのかは謎。ここで書類を渡されるので氏名やパスポート番号、ビザの種類などを記入。

で、オマーンのビザは本来6000円程度かかるのですが、「ドバイ国際空港UAEに入国している」「特定の国籍である(日本含)」の2条件を満たしている場合、ドバイ首長国アラブ首長国連邦を構成する首長国の1つ)とオマーン国の協定に従って無料で「Type 21A」というビザが適用されます。事前にググった情報では「入国審査官がこの制度を知らない場合がある」「結局金を取られる可能性がある」といった声がありましたが、結果としては入国審査官は普通にこの事実を認識してて特にこちらが主張しなくても「はいあんた無料ね」みたいな感じでした。しかもビザ申請時には何日間滞在するか申告が必要とのことなのですが、別に申請より短い分には問題にならないので「上限いっぱいにしときます」と何日いるのか尋ねもせず1ヶ月後くらいの日付を記入してくれました。

そこからさらに走ること数時間、朝7時過ぎくらいにマスカットのアザイバ(Azaiba, Athaibaと書かれている場合もあり)にあるバスターミナルに到着。

 

ネット上にはバスターミナルはルイ(Ruwi)にあるという記述が多いですがこれは古い情報で、現在はこのアザイバに拠点が移っています。ルイのバスターミナルもまだありますが、そちらはマスカット市内バスのみ発着していてドバイ便を初めサラーラ便などの長距離バスは全てこのアザイバ発着となっています。かの『地球の歩き方』の最新版(2018~19年版)ですらこの情報は更新されていないのですが、ルイとアザイバは20km以上も離れている全然違う場所なので、ムワサラットを利用してマスカットへ行こうと考えている人は勘違いしないよう注意です。

ちなみにアザイバのバスターミナルの前はこんな感じ。

で、問題なのはUAE領内でオマーンの通貨(オマーン・リヤル)を両替してこなかったのでこの時点ではSIMも無ければ現金もないという状態。それで朝7時台にこんな周りに何もなさそうな幹線道路沿いに放り出されて、「え…どうすればいいのこっから…」と途方に暮れましたが、ここから今回の旅行の中でも個人的に最も面白く印象深かった一日が幕を開けることになります。

【UAE】首都アブダビ観光 〜エミレーツパレス・ザイードモスク・ルーヴルアブダビ〜

前回→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/174801

・12/23 アブダビ(続き)

アブダビのメインバスターミナルの前にあるアル・ワヘダ・モールで中東料理を食したわけですが、再びバスターミナルに戻ります。まず向かうはエミレーツ・パレス。ドバイとは違いアブダビのバスはマップなどで検索しても中々ルートが出てこないので、ターミナルのカウンターでバスの路線番号を聞きました。結果、乗るべきバスは34番。しかもドバイとは違うICカードが必要とのことなので券売機で購入。

こちらがアブダビ交通系IC「hafilatカード」です。東京でICOCA使えるみたいに互換性あってくれれば便利なんですが、これしか使えないと言われたらしょうがない。

アブダビ市内の路線バスはアル・ワヘダ・モールとは反対側、この写真の景色が見える側の道路にあるバス停から乗れます。

34番のバスに北向きに乗ること30分程度でエミレーツ・パレスに到着。

宮殿を名乗るだけあってめちゃめちゃラグジュアリーな外観です。あくまで「高級ホテル」なんですが、もう半ば観光地そのものみたいな感じ。

パレスの向かいには強い日差しに照らされて輝くガラス張りの曲線的なビルが。

ロビーに入るとアブダビの首長か誰か分かりませんが肖像画が飾ってあります。

12/23ということでどでかいクリスマスツリーが……ちなみにここだけでなく、デカいショッピングモールに行けば大体クリスマス風の装飾がありました。日本ほど騒ぎ立ててはないようでしたが、イスラム教圏とはいっても商業的イベントとしてのクリスマスは存在するようです。あるいは地元のアラブ人の人口よりも外国人労働者の方が圧倒的に多いという事情があるためかも。

エミレーツ・パレスを見た後はシェイク・ザイード・グランド・モスクへ移動。日没前に到着して青空と白いモスクのコントラストを見たうえで夕方〜夜のライトアップを見る、というのが理想なのでササっと移動したかったのですが、とにかく来た道を戻るバス停がどこなのかよく分からない。しばらく彷徨った挙句、たまたま歩いていた現地在住とおぼしい南アジア系のおじさんに教えてもらいましたが、これがアル・ワヘダ・モールに戻る34番線のバス停とのこと。いや分からんわ。位置としては上の写真のガラス張りのビルの前あたり、パレス側の道路の植え込み部分にあります。

通行人のおじさんのおかげで無事メインバスターミナルに戻り、今度は94番のバスに乗り替えてザイード・モスクへ。

バスがどの道を走るかもよく分からないのでとりあえずモスクが見えた位置で降りて歩いたんですが、外から見て全く人気がしない。「今日閉まってるのか?」と不安になったのでどデカいアサルトライフルみたいな銃を持った守衛の人に聞くとどうも入り口と全然違う方向だっただけでした。後で分かったことですが、94番のバスにそのまま乗り続けていればザイードモスク駐車場の入り口まで行くので本来はほとんど歩く必要はないです。

駐車場の手前にあるガラス張りの建物に入って地下から入るルーブル美術館スタイル。地下には土産物屋や服屋、飲食店などかなり店が多いです。

入り口にはドレスコードの表示が。神聖な場所なので露出の多い格好はできません。ただ女性の場合、アウトな格好でもアバヤ(頭と全身を覆うあれ)の貸し出しがあるので実質どんな格好で来てもOKぽいです。

モスクへの入場は無料ですが、国籍や年齢層などの登録手続き的なことはしないといけません。機械がいくつかあるのでそれで必要事項を入力してQRコードを発行してもらいます。

中に入っていきます。内部では人の動きを妨げないためか、写真を取るための少し広めのスポットが指定されていてそれ以外の場所では撮影禁止となっています。

大きな広場は原則立ち入れないらしく、周囲の回廊をぐるりと回っていきます。

広場の足元にも装飾が。

陽が落ちてくるとライトアップが始まります。青空から夜空までの変化を楽しめるのでやはり夕方前に来るのが一番おいしいかなと。

建物内部はこんな感じ。

礼拝室には超巨大な絨毯が敷かれています。

西の空はこんな感じ。水面の反射が綺麗。

完全に暗くなるとライトアップにより幻想的に浮かび上がります。絵に描いたようなアラビアンナイトの景色を味わうことができました。

駐車場から外側へ少し歩いたところにあるバス停。94番線のバスでメインターミナルへ戻った後、タクシーでアブダビモール近くのホテルへ。

ホテルに着いた直後にメールを確認すると、なんと最後の2泊を予定していたドバイのホテルが水漏れトラブルにより宿泊不可になったとの連絡が。「え?? ここに来て宿泊地無くなった?? どうしよう!」って焦りましたが、幸運にも同じくらいの値段の安宿に空きがあったので即座に予約。泊まれなかった方のホテルはドバイに戻った時に近くを通るので返金交渉に行こうということになりました。その2, 30分くらいの間は相当困りましたが、後になって考えると国外で直前にホテルを取るのでも何とかなるとの気づきを得られたので経験値という観点では良かったと思います。

・12/24 アブダビ→ドバイ

泊まったホテルはこれ。1泊2千円くらいの格安ホテルです。エミレーツ・パレスみたいなところとは雲泥の差ですが、寝られればそれでいいんです。

ホテルの向かいにある中東料理店で朝食。ケバブラップみたいなやつですが、たったの6Dh(180円)です。日本で食ったらその2~3倍するよ。味もすごくおいしい。

アブダビモールを少し覗いてみましたがここもクリスマス。そういえばイヴやん今日。って感じですが、気にしない。

郵便局があったのでシェイク・ザイード・グランド・モスクで買ったポストカードを実家に送りました。まあ自分が実家に到着する方が早いのは分かってましたが、こういうのは旅先で送るから意味があるんです。

タクシーでルーヴル・アブダビに到着。3月にルーヴル美術館行って「アブダビに2号館みたいなのあるらしい」と知ったときは中東旅行など全く企画してなかったのでこんなに早く訪れることになるとは思いもよりませんでした。

入館料は60Dh(約1800円)。中国語や韓国語のパンフレットはありますが、残念ながら日本語パンフレットはありません。パリにはあったのに……。英語のを掴んで入場。

これちなみに海です。海にせり出すような形で建っています。

絵画が中心のパリとは違い、アブダビはどちらかといえば歴史的な出土品の展示が多く、美術館というより博物館といった方がしっくり来るイメージです。コンセプトとしては同じ時代の異なる地域の出土品を並べ、そこにある種の類似性を見出すことによって「人間は異なる場所で異なる文化を発達させていながらも、それらは似たような段階を経て進化してきており、そこから全ての人間に共通する本質が見出せるのではないか」みたいなテーマになっています。

中には日本の物品も展示されています。

有名なナポレオンの絵をはじめ、絵画も多少展示されています。

順路の最後あたりには現代アートも。

バス停は美術館を出てすぐに左へ向かい、道路へ出て左手へ少し行ったところにあります。路線は94番線。ここルーヴル・アブダビとシェイク・ザイード・グランド・モスクが両端の終点となっています。そう考えると時間に余裕があればこことモスクを同じ日にするのが楽かも。

バスターミナル内にあるレバノン料理店で昼食を食べましたが、コスパも味も良く適当に入った割にはかなり当たりの店でした。

これで自分(手前)は32Dh、友人の分(奥)はなんと14Dh。安くて美味くて量も十分すぎるほどある。

食事を済ませた後、ドバイのアル・グバイバ行きの14:30発のバスに乗り込み、世界一の高層ビル 「ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa, برج خليفة)」のあるダウンタウンドバイへと向かいました。

【UAE】安宿と長距離バスで巡る石油王の世界・アラビア半島の旅

11月に東南アジアに行ってきたばかりのところで少々スパンが短いのですが、この年末にアラブ首長国連邦UAE)・オマーンの2ヶ国へ旅行に行ってきました。数ある選択肢から旅行先にUAEをチョイスしたのは世界一の高層ビルであるブルジュ・ハリファや豪華な商業施設を訪れてみたいからというのも少しありましたが、一番の目玉はアブダビにある巨大な純白のイスラム教寺院、シェイク・ザイード・グランド・モスク(Sheikh Zayed Grand Mosque, جَامِع الشيخ زَايِد الكبير)です。以前たまたまネットで世界の絶景みたいなのを色々検索していたときにその存在を知り、そのエキゾチックで美しい外観を実際に観てみたいと思っていたのが今回実現することができました。

加えて、近未来的なビルが林立するUAEとは対照的に隣国オマーンには昔ながらのアラビアの雰囲気が残っているという評判を聞いたので、ドバイから陸路で安く行けるということでマスカットにも足を伸ばすことに。

大まかな旅程としては、お財布に比較的優しい中国南方航空を使って広州経由でドバイへ飛び、到着してすぐアブダビへ移動、1泊観光した後にドバイへ戻り夜行バスでマスカットへ移動、そこで1泊した後ドバイに戻って2泊(そのうち片方の1日は砂漠ツアー)といった具合。1週間ほどありましたが、荷物は極限まで取捨選択して少し大きめのリュック1つにまとめました。

東南アジアの時とは別の人ながら今回も2人パーティでの旅行だったんですが、途中一時的に仲間が増えて3人パーティとか4人パーティになったりしました。そこらへんはおいおい綴っていきます。f:id:wprefrom:20191231151828p:plain

(図中のRTA、Mwasalatはそれぞれバスを運営している会社名です。ドバイアブダビ間の移動をリアルタイムアタックしたという意味ではありません。)

 

・12/22 中国南方航空 羽田→広州→ドバイ

朝に羽田に到着し、午前中の便で広州白雲国際空港へ。中国南方航空については前回東南アジアに一緒に行った友人からは「機内食がものすごくまずい」、ネットでは「遅延が多い」と散々な評判。なので「まぁ安いし……」と全くと言って良いほど期待していなかったのですが、結果的には乗務員のサービスも好印象で、往復4便とも遅延は全くなく、機内食も別にまずくなかったです。まぁ凄く美味いってことはないですが、それは他社の機内食も割とそうなので……。

白雲空港に着陸した後は国際乗り継ぎの手続きへ向かいます。検疫の改札を抜けた後に「International Transfer」と示された方へ向かい、荷物検査を受けます。ここの検査が入国しない割にものすごく丁寧で、荷物のスキャンだけでなく全身をスキャンしたり触ったり場合によっては靴脱いだりのチェックを一人一人にするので人数が多いとそれなりに時間を要します。

そのチェックを抜けて搭乗口のところまで来たあと、空港の中だけでも中国を味わおうと思い中華料理店に入って麻婆豆腐を注文(機内食があったのでこれだけ)。全然辛くなかったのでちょっと物足りなかったかも。

ドバイ国際空港に到着したのは現地時間で12/23の0時を過ぎた頃。300米ドルをUAEディルハム(以下, Dh)に両替し、エティサラット(Etisalat)のSIMカードを入手して空港の到着ロビーの片隅にある普通の椅子で5時過ぎまで仮眠しました。当然、体勢的に無理があるので大して寝れませんでしたが…

・12/23 ドバイ→アブダビ

朝になってからアブダビへ移動するわけですが、その前にドバイからマスカットへ行くバスのチケットを確保しに行きました。当日乗る直前でも大丈夫っぽい感じでしたが、何せ1日に何本もあるドバイ-アブダビのバスとは違って1日3本しかありませんから万が一乗れなかったなんてことがあると予定が大きく狂います。それは避けたいということで何よりチケット確保を優先することに。

ドバイ・マスカット間のバスはオマーンの国営交通であるムワサラット(Mwasalat, مواصلات)とUAEの企業であるアル・ハンジュリー(Al Khanjry, الخنجري)によって運行されていますが、今回我々は前者を利用。ムワサラットのバス発着所ならびにチケット販売所はドバイメトロのアブ・ヘイル(Abu Hail)駅となっていますので、そこを目指して移動しました。

ドバイのメトロやバスに乗るには「nolカード」というICカードを手に入れる必要があります。これにはレッド・シルバー・ゴールドとグレードがあるんですが、後で使うドバイ・アブダビ間の長距離バスはシルバー以上のグレードでないと乗れないということだったのでシルバーを購入。なぜかレッドとゴールドは券売機で買えるのにシルバーは有人窓口限定でした。価格は25Dh(約750円)で、うち19Dhがチャージされた状態で手に入ります。

で、7時過ぎにアブ・ヘイル駅に到着。駅の周辺にムワサラットの事務所があるらしかったのですがどうもよく分からないのでロビーのこのRTAのカウンターの人に聞いてみたところ、事前に調べた情報とは少々違いますがこのカウンターがマスカット行きのバスのチケットなどを扱っている場所そのものだったようです。ムワサラットから委託されてるのでしょうか。

どうも1人で作業をこなしているようで、丁度バスの発着のタイミングで忙しそうだったため1時間くらい待たされましたが無事24日の23時発のバスを2席取ることができました。往復で90Dh(約2700円)、キャッシュオンリーです。安い。ちなみに帰りの便はここではなくマスカット側の事務所で指定する必要がありました。

(なお、写真はこの時ではなくオマーンから帰ってきた時に撮ったものなので夜になってます)

チケットは複写紙が数枚、表紙とともに綴られたものです。

想定より1時間ほど遅くなりましたがアブダビへ向かいます。アル・グバイバ(Al Gl Ghubaiba)駅から少し歩いたところにバスターミナルがあるので、アブダビ行きのバスはどれか聞いて乗り込みました。片道25Dhです。nolカードのチャージは駅でやっとくのが無難ですが、ここの事務所でもできるみたいです。なお、タクシーが客引きしてきますが高いので無視。

ここからバスで走ること2~3時間。トイレは事前に済ませましょう。

ドバイ〜アブダビの間の車窓の風景はほとんどなんにもない砂漠なので日本では珍しい地平線が見られます。

また、アブダビに近づいてくるとアルダー本社ビルが右手に。最近NETFLIXで公開されたマイケル・ベイ監督の『6アンダーグラウンド』のロケ地にもなっている丸い形をした特徴的なビルですが、中に入れるわけでもないので車窓から見るくらいで丁度良いです。

バスは昼ごろにアブダビのメインバスターミナルであるアル・ワヘダ・モール(Al Wahda Mall)前に到着。

モール内のレバノン料理店で昼食。

ここから豪華絢爛な超高級ホテルエミレーツ・パレス(もちろん泊まりません。見に行くだけです)、目玉のシェイク・ザイード・グランド・モスク、それからパリのルーヴル美術館の別館であるルーヴル・アブダビ、とアブダビ市内を本格的に観光していきますが、それは次の記事(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175455) で。

【カンボジア】シェムリアップ市街観光とトンレ・サップ湖クルーズ

前回→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/12/12/011856

・11/11(続き) シェムリアップ

2, 3時間ほどホテルで仮眠をとった後はホテルから徒歩圏内のパブ・ストリートへ。神秘的な雰囲気のアンコール遺跡群とは打って変わってお祭り騒ぎのパリピ空間がそこには広がっています。渋谷センター街とか比じゃないくらいカオスで騒がしいです。

盗難などは常識的な範囲で気をつけていれば大丈夫だと思いますが、ヘンなお店…というか率直に言えば風俗の勧誘が結構ありました。小慣れた日本語で客引きしてきます。

この写真はまだパブ・ストリートではないですが、前日同様何かのイベントでもやっていたのか地元民で非常に賑わっていました。ちなみに画像では伝わりませんが物凄い爆音の音楽が流れています。

パブ・ストリートに入ると外国人観光客が目立つようになってきます。

ホーチミン(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/12/12/010450)でも感じましたが、夜遅くまで飲めや踊れやのどんちゃん騒ぎはこれらの国の経済が段々と豊かになり発展してきていることの証左なのでしょうか。自分は日本のバブルの頃を知りませんが、(高度成長期の日本ほどではないかもしれないにしても)数世代遅れで同じことが繰り返されている、そんな気がします。

さてそんな中でとったカンボジアのディナーがこちら。

食事の際にもカンボジアのアンコールビールを飲んだのですが、もう少し酒が飲みたいという友人と共にハシゴし、「ザ・レッド・ピアノ」というお店へ。

この店、なんでもかのアンジェリーナ・ジョリーが『トゥーム・レイダー』ロケ時に通ってたとかで、彼女に因んだカクテルを飲むことができます。ちなみにですが、ジョリーはそれ以外にも何かとカンボジアに思い入れがあるのか、養子のうちの1人はカンボジア人の子供であり、自身の監督作品としてクメール・ルージュに関する実話に基づく映画『最初に父が殺された』を制作しています。

友人はこれを注文してましたが、自分は下戸でアンコールビールだけで十分過ぎるほど酔ってたので、パリ(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/164136)で吐いた反省を踏まえスプライトにしておきました。

ナイトマーケット近辺。ここを歩いていると、風俗の勧誘らしい現地人の男がめちゃめちゃ卑猥な日本語を連呼しながらポルノ写真を表示したスマホを見せてきたので「ヤバそうな奴が絡んで来たなー……」と思いとっさに自分がとった選択肢が「中国人のフリで日本語分からないアピール」。大学の第二外国語で中国語やってたのでイケるかなと思ったんですけど、相手はめちゃめちゃ苦笑してたので多分余裕でバレてますね(それはそう)。ただそれ以上絡んでくることはなかったです。

ナイトマーケットでは各種の土産を買うことが出来ますが、ホーチミンベンタイン市場と同様に値交渉が必要です。ただきちんと値切ればシェムリアップ国際空港の売店よりは良い値段で同じ物を入手できます。

例えば下のようなカンボジアの風景をキャンバスに描いた絵が結構色々売ってたので「部屋に飾ったらちょっとお洒落になりそう」と思って買ったんですが、値交渉の末に8ドルで買ったところほぼ同じ絵が空港では25ドルでした。空港では多分値切れない(値札がついている)のでこちらの方が大分お得になります。

(※この写真は自室に飾ったのを撮ったものです)

・11/12 ベトナム航空 シェムリアップホーチミン(タンソンニャット)

実質的な滞在最終日ですが、フライトは夜なのでそれまで市街地とトンレ・サップ湖を観光しました。トンレ・サップというとカンボジアのみならず東南アジアで最大の湖で、その面積は実に2700km^2、琵琶湖の約4倍あります。それだけではなくこの湖には、水上に足場を組んでその上の家で暮らす水上村が存在しており、マングローブ林と併せて観光の対象となっているのです。が、「ボッタクられる」という悪名が高いスポットでもあります。

プノン・クーレンやベンメリア宮殿に行く選択肢もあったので迷いましたが、距離的にそれらを選ぶと市街地を観て回る時間はなさそうだし、多少ボッタクられるのも経験のうちだろう…ということで湖をチョイス。前日の夜のうちに午後のツアーを予約するようホテルのフロントに頼んでおいたところ、時間になったらホテルまで迎えに来てくれるとのことでした。料金は18ドル、追加5ドルで小舟に乗ってマングローブ林まで入れるシステムです。

前日は4時半から出かけていたため食べられなかったホテルの朝食。

午前中は近くの市街地を適当に観て回ることに。

シェムリアップ市街地では比較的大きな交差点でも信号がないことがほとんどです。タイミングを見計って渡る必要があります。

王族の別荘らしいです。中には入れません。

王家の別荘前にある公園

その公園には寺院もあります。1ドルで入れますが、ホーチミンで行ったヤックラム寺同様完全に地元民スポットって感じ。

さて、次はラッキーモール(Lucky Mall)という名前のスーパーマーケットへ。上述の公園から徒歩圏にあります。

ここまで見てきたマーケットとはガラリと雰囲気が違い、非常に綺麗で機器などの設備も充実しています。プレステの専門店まで入ってました。

値切ることはできませんが、飲食物のお土産に関してはよく分からないマーケットで買うよりもここの方が良いと思われます。スパイス、ドライフルーツ、お菓子など、カンボジア産と表示されていてかつお土産っぽい装丁になっているものが結構揃っていました。自分はここでアモックと胡椒をお土産用に、その場で食べる用に現地製品っぽいアイスクリームを購入。アイスの味は日本で100円で売ってもまあ良いかなって感じです。

買い物の後は昼食。湖畔の街ですから、できるだけ伝統的な土着の料理を食べようとするとやはり淡水魚になります。左奥はプラホックと呼ばれる魚を発酵させたペースト状調味料で魚を味付けしたものです。見た目も結構インパクトありますが味やにおいもかなりクセがあるのでエスニックが好きとかローカル伝統料理へのチャレンジ精神が旺盛な方にのみお勧めします。右奥は再びのフィッシュアモック。

少しだけ時間に余裕があったのでオールド・マーケットを覗きました。

中はこんな感じ。肉など食材を売る一角もありましたが、マジで普通に肉にハエたかりまくってて衛生のエの字もありませんでした。さっきの立派なスーパーとは天地の差があります。

さて言われた時間の少し前にホテルに戻りクルーズの迎えを待機していましたが、時間になっても来ません。ベトナムで一向にバスが来ないのを経験しましたので「まあこんなもんなのかな」と思って待ってましたが、何と実はホテル側のミスで予約が入っていなかったと。マジかと思いましたが、既にホテルに払った乗合クルーズ用のお金で本来はもうちょっと高い個人手配の船を取ってくれ、これまでと同じトゥクトゥクドライバーが湖まで連れて行ってくれることに。

すると船着場に着く前にドライバーがトゥクトゥクを停めてこんなことを言います。

「船を仕切る人は『貧しい水上生活の人のために』とか言って何か買えとかチップを払えとか言ってくるが、実際は彼らが懐に入れてしまい、水上生活者にはお金が落ちないので料金以外に追加で何かお金を出す必要は一切ない」

ははあ、日本でググったときに「ボッタクられる」という情報は結構目にしたが、そういう事情があるんだな、と。あくまでこのドライバーがそう言ってるだけでしたが、確かにいかにもありそうな話です。

水の色はこの通りお世辞にも綺麗とは言えません。

その"船を仕切る人"らしきおじさんが現れていざ出航。ちなみにこれまで遺跡の内部とかにはついて来なかったドライバーがここでは船まで同行してきました。正確な意図は不明ですが、彼も写真撮ったりしてたので普通に観光だったのかも。

おじさんは水上の景色を色々指差しては解説を入れてくれます。どうも水上生活者の多くはベトナム系やイスラーム教徒のようでした。要は民族的あるいは宗教的なマイノリティというわけです。別に「差別されてる」とは一言も言ってませんでしたが、こうして不便な湖の上に住んでるわけですから、社会の闇みたいなのを感じざるを得ません。

寺院や店などもちゃんと存在しています。

マングローブ林の中まで行くには小舟に乗り換える必要がありますが、ここで「乗るなら20ドル」。出た! これこそがトンレ・サップ湖に想定していたイベントです。色々あって18ドルになってるとはいえ本来であればここに来るまでに30ドルくらいかかるわけで、そこから更に「20ドル」とはかなり強気です。

ただ、「20ドルもするのは流石に厳しい。10ドルなら考える」と言ってごねると10ドルになりました。ここでも値交渉制度が存在しているようです。

というわけで小舟に乗り込んでマングローブ林の中を進みます。水上村の方と思われる女性が2人、前と後ろに乗って漕いでくれました。ちなみにライフジャケットは上の写真の通り有りますがかなり頼りない質感なので落ちないように気をつけましょう。というか、この水の中に落ちたら溺れなくても色々やばいことになりそうですけど。

ちなみに最初に現れたおじさんはこの小舟の時間を「3〜40分」と言ってましたが、実際には20分も無かったと思います。小舟の発着所から見えるマングローブ林の景色とそこまで大差のある光景が出てくるわけでもないので、料金に納得行かないなら無理に課金しなくてもいいかも。

ちなみに小舟が発着所に戻ってきた後には更に「漕いでくれた2人に5ドルくらいずつチップをくれ」と言ってきました。ああドライバーが言ってたのはこのことか。と合点が行ったのですが、揉めるのもめんどいのでちょっとだけ出すことに。

ただ旅も最終盤というだけあって、そのとき自分たちの手元には2人あわせて現金が2ドルと数千リエルしか有りませんでした。否、厳密には僕のパスポートケースにもう少しドルがあったんですが、それを引っ張り出してまでカモられるのもおかしな話です。2ドルしかないのを見せると渋々1ドルずつで合意してくれましたが、エンジン船で解説とかしてくれた時にはやたらテンション高かったおじさんが露骨に不機嫌そうな顔してました。やっぱりドライバーの言った通り彼女たちのためとか言って結局入るのはそっちの懐なんでしょう。

ちなみに小舟の発着所では大量のワニが飼育されてます。

トンレ・サップ湖からホテルに戻って預けていた荷物を回収し、すぐにシェムリアップ空港へトゥクトゥクで向かいました。空港のレストランで取ったカンボジア最後の食事がこちら。

22時頃にタンソンニャット国際空港に到着。かなりの疲労感もあり、空港の出発ロビーにある仮眠用の長椅子でそれこそ意識を失うかのように寝てました。

・11/13 ベトナム航空 ホーチミン(タンソンニャット)→成田

飛行機乗ってるだけなので特筆すべきことはないですが、機内食はこんな感じ。

日本時間で13時半頃に成田に到着。

ちなみにですが、帰国翌日に腹を壊しました。海外旅行保険付けてて良かったです。