現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【八丈島・青ヶ島】2重カルデラを見に絶海の孤島へ【前編】

最初の記事なので少しだけ能書き。

この度、ブログを開設することにしました。主目的は趣味の記録──特に旅行の話をちまちま書いていければなと思っています。自分用の記録としてだけでなく、誰かの参考にもなれば幸いです。

近い将来に行く予定の旅行を記録したいなと思ったのが直接のきっかけなんですが、気が早いことにまだ行ってないのにブログだけ開設してしまったので、とりあえずそれまではちょっと前に行った旅行の話を振り返って記したいと思います。

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2重カルデラの島・青ヶ島旅行 (2019/3/1〜3/4)

 

東京都の南洋には伊豆諸島・小笠原諸島からなる島嶼がありますが、そのうち八丈島から南へ72km、伊豆諸島の中で最も南に位置する有人島が「青ヶ島」です。東京都本土(竹芝埠頭)からは実に350km。京都より少し手前、大津あたりまでの距離と同じです。

自治体としてはこの島単体で「東京都青ヶ島村」となっています。人口は180人程度で、日本に数多ある市町村のうちで最も人口が少ない村です。

 

これだけでもある種の個性ではあるんですが、この島の最大の特徴はずばり「2重カルデラ」です。

地理の授業で聞き覚えがお有りかと思いますが、カルデラとは火山活動で形成された凹地のことを言います。これが2重、すなわち大きなカルデラの中に小さなカルデラが出来ている構造で、それが1つの火山島として真っ青な大海原にぽつんと浮かんでいる──という、まさに秘境の絶景と言える世界がそこにあるのです。

しかも、就航率の低い船か定員が少なく予約が難しいヘリしか渡航手段がなく、まさに運が試される島。絶海の孤島という本州の人間にとって非日常的な空間への憧れと、選ばれし者しか上陸できないというプレミア感も手伝ってかなり魅力的だったので、この島への旅を決意しました。弟も興味があったようなので、2人で行ってきました。

 

青ヶ島への船やヘリは共に八丈島発着です。ヘリは高いため往復ヘリだと財布が苦しいですが、帰りが船だと「島から出られない」というケースがあり得るので、今回我々は「行きは船で運を試し、行けたなら帰りはヘリで確実に脱出する」ということにしました。

  • 船は片道2700円、約3時間。安上がりですが地形や気候の関係上運行がとても不安定で、就航率は約6割。その上、そもそもの予定からして毎日ではなく、毎週月火金土、隔週水の1日1往復しか予定されていません。その時まで動くか分からない代物なので予約制度はなく、現地で当日チケットを購入して乗ります。そんな感じなので八丈島の宿の中には「青ヶ島行きを粘るために連泊できるプラン」があったりするくらいなんですが、日程の都合もあるので我々は大博打を打って1回ポッキリのチャンスに賭け、ダメなら4日間八丈島観光するつもりで行きました。
  • ヘリは片道11750円、約20分です。船に比べて格段に速い上に就航率もそこそこ良く、基本毎朝1往復運行されてます。ただし船に比べて圧倒的に高いのと定員が9名しかないのがネックになります。予約は1ヶ月前の同じ日付の日から可能(ただし日曜は予約受付が休業)。3/4に乗って帰る予定だったので、2/4の9:00に即電話して2人分予約できました。オンライン予約もできますが、反映にタイムラグがあるので電話の方が確実らしいです。なお、キャンセル料は搭乗日除き4日前までは440円、3日前〜前日だと25%、当日出発前までだと50%です。なので僕のような日程・旅程で計画するともし行きの船が出なかった場合にはヘリ料金の25%(約3000円)が無駄になってしまうことにはなります。

・3/1 羽田→八丈島

1日3便あるANAのうち、昼の便(12:15発)で羽田を出発。1時間弱で着きます。青ヶ島に向かうのは明日なので今日はまず八丈島を見物しようということで、八丈島空港を徒歩で後にします。空港を出て左へ歩いてゆき、しばらくすると左手に現れる滑走路下のトンネルを抜けてから更に左へ。道端にはアロエが沢山生えており、南国感たっぷりな景観です。

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道沿いのお店で昼食として伊豆諸島名物の明日葉が入ったうどんを食しました。その後、八丈植物公園に向かいます。

植物公園に入ると屋外はもちろんのこと温室にも様々な熱帯植物が植えられており、更にはキョン)という動物も飼育されています。ちなみに、温室等も含め入場は全体的に無料。

まさに南国。

 2人で檻の外からキョンを眺めていたら付近で作業していた職員らしきおじさんがやってきて餌の葉っぱを何枚かくれたので餌やり体験もできました。気まぐれに渡してくれたような雰囲気なので、いつ行っても餌やりできるのかは不明です。

 

植物公園を一通り見終わったら、町役場前からバスに乗って宿泊先へ。宿の夕食は付けず、予約しておいた郷土料理のお店へ。伊豆諸島名産の明日葉のおひたしに海亀のスープ、わさびではなくからしを使った島寿司を堪能。海亀は魚っぽくもあり肉っぽくもある独特な味をしていて、北海道土産で貰った缶詰のトド肉に少し似ていました。島寿司は特に岩海苔がめちゃめちゃに美味。

 

島の料理を楽しんだ後は徒歩で宿に戻り、就寝。

 

・3/2 八丈島青ヶ島

朝、ウェブサイトにアクセスして青ヶ島行きの船の運行状況を確認すると、就航を表す◯が付いておりました。大勝利です。1泊お世話になった八丈島の宿をチェックアウト。宿のご主人にこれから青ヶ島に行くと言うと、「相当運が良いですよ。何泊しても行けなくて諦めて帰る人も居ますから」と言われました。やっぱり結構な博打だったみたいです。

八丈島の東岸にある底土港から朝9:30に船が出ます。西岸の八重根港ではないので注意です。

いざ3時間の船旅。乗客は船の大きさに不釣り合いなほど少なかったです。10人も居なかったような……。

お昼頃に到着。断崖に囲まれた緑の島が深い青色をした海と晴れた空に映えます。

青ヶ島三宝港。観光客を待つ宿の方々や、注文した物品を待つ島民の方、これから島を出る方などが数十人程度待っていました。迎えに来て下さった方曰く、Amazon等では送料無料の商品しか買わないらしいです。確かに、送料有料だったらどれだけかかるのか……。

青ヶ島上陸後については次の記事にて述べていきたいと思います。