現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【ベトナム】カンボジアへのトランジットで1日ホーチミン観光

青ヶ島編・フランス編と年内ながら少し前に行った旅行の話を2件お送りしてきましたが、ここからはブログ開設後に行ってきた新鮮なネタになります。

11月にベトナム航空を利用してホーチミン市(Hồ Chí Minh)経由でカンボジアシェムリアップ(Siem Reap)へ友人と2人で行ってきました。シェムリアップと言われると聞きなれない方もいるかもしれませんが、かの有名なアンコール・ワット(Angkor Wat)をはじめ多数の遺跡を擁する都市の名でございます。

 

まず最初に旅の前の準備について軽く触れますが、ベトナムは15日以内の短期滞在ならビザが必要ない一方、カンボジア入国にはビザが必要となります。ビザ取得については詳しく解説しているサイトが多いのでここでは詳細は割愛しますが、オンラインでeビザを取得する場合は間違えてボッタクリサイトを使わないよう注意してください。日本語を自動翻訳してくる政府公式のサイトよりも、ボッタクリサイトの方が日本語がちゃんとしてるのが要注意です。ちなみにビザはちゃんとした値段であれば36ドル(約3900円)で、申請の翌日にメールでpdfで届きました。

さてここからが本題。

 

・11/9 ベトナム航空 成田→ホーチミンタンソンニャット国際空港

成田からベトナム航空を利用してシェムリアップへ向かう場合、ホーチミンですぐに乗り換えることも可能なのですが、19時台に着いて翌日の19時台にシェムリアップ便に乗るというほぼ丸1日の待ち時間を取る乗り換えが可能なので、アンコールの遺跡群を見に行くついでにホーチミン市街地もかなり見物することができます。

ベトナム航空の機内食はこんな感じ。美味いわけでもないが、別に不味くもない。

空港に着いたらまずベトナムの通貨「ドン」を都内の大黒屋で入手した米ドルから両替しました。「円→ドン」ではなく「円→ドル→(一部を)ドン」としたのはレートの問題もありますが、後で行くカンボジアで米ドルを使うことになるからです(カンボジアには自国通貨のリエルも有りますが、ほぼどこでも米ドルで支払いが可能)。

泊まるところや食べるもののグレードによりますが、1泊の滞在であれば食事宿泊観光合わせて50ドル+αくらい両替すれば大丈夫だと思います。ドンを入手したところで、空港を出て目の前に停留していたバスに乗り込み中心市街方面へ。

夜のホーチミン市街地の道路の様子。確かに東南アジアといえばバイクって印象がありますが、本当に多いです。それと日本では中々ないことですが1分に2, 3回くらいクラクションを耳にしました。1日しかいなかったのに東京の数年分はあの音を聞いたと思います。

夜のストリートは非常に賑わっています。

ベトナムといえばフォーやろ!」という安直な発想で真っ先に食したのがこちら。これでビールも付けて一人500円もしません。めちゃ物価安い。

大音量で音楽を流し早朝4時くらいまでパァリィしている一角がありました。ドゥンッドゥンッっていう感じの重低音がホテルまで響いてきて少々寝づらかったので、「9月23日公園」周辺のエリアに宿泊を考えている場合は要注意です。

・11/10 ホーチミン観光

翌朝、チェックアウトし本格的なホーチミン観光へ。この都市は主要な見所がかなり狭いエリアに集中しているので弾丸観光にはかなり適していると思います。

ホーチミン人民委員会庁舎、通称:ホーチミン市庁舎。かつての宗主国であるフランスの香りがする優雅で立派な建造物となっています。

市庁舎の目の前には大きな広場があり、市名の由来であるホー・チ・ミンの像が立っています。「ベトナム社会主義共和国」の名の通りいかにも所謂東側の国といった雰囲気がします。

こちらは歌劇場。残念ながらこの日は中に入ることはできませんでした。

サイゴン大聖堂。左右に対となる塔が配置されており、かつてのフランス領だけあってノートルダム大聖堂(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/164136)を連想させるシルエットですが、どうも改修工事中のようでした。

続いてサイゴン中央郵便局です。同じビル(DIAMOND PLAZA)が写り込んでいることからもお分かりかと思いますが、上記の大聖堂のすぐ隣にあります。市庁舎同様おしゃれで立派な外観をしています。中でお土産が売っていたりして完全に観光地化していますが、実際郵便局としてもちゃんと機能していますので、市庁舎の写真のポストカードを実家宛に送っておきました。

続いてベトナム戦争証跡博物館。入場料4万ドン(約190円)がかかります。

その名の通りベトナム戦争についての資料や遺物を展示した場所になりますが、一方的にベトナムからの視点で描くのではなくアメリカ側からの視点や当時のその他の各国の受け止め方など、かなり客観的にベトナム戦争をとらえた内容になっています。

普段平和な空間に暮らす自分自身の意識に一石を投じるのにとてもよいスポットですが、爆発により原型を留めていない遺体や枯葉剤作戦によって生まれた奇形児の写真がありのままに多数展示されていますので、人によってはきついかもしれません。WWIIの頃より映像技術が発達した70年代以降の資料であることもあり(一部カラー)、個人的な感想としては昔行ったニューヨークのホロコースト博物館よりリアルで生々しく感じました。

続いて統一会堂(Hội trường Thống Nhất)。フランスにより建てられ、その後南北分断時代には南ベトナムことベトナム共和国の大統領官邸として機能していた建物です。最終的には現在の"ベトナム"である北ベトナムによってここが陥落し、ベトナム統一が果たされた…ということで今はこういう名前になっているようです。入場料を払えば見学できますが、今回はフェンスの外から見るに留めました。

さて昼食は何と更にフォーと生春巻き。いや昨夜もフォー食ったやんけと言われそうですが、別の店ですし一応具の種類も変えてます。蟹を練りこんだ団子みたいなのが入っていたのですが結構美味しかったです。

ココナッツジュースもつけて気分は南国。ちなみに画像左にあるチマキみたいなものは注文したわけではなく最初からそこにありました。よく分からず手をつけていないので正体は謎です。

昼食を取ったところでお土産の物色もかねて「ベンタイン市場Chợ Bến Thành)」へ。

観光客相手の商売場所という雰囲気が強く、中で売られているものは結構強気の言い値を言ってきます。素直にお店の人の言うままに買うとめちゃめちゃボッタクられるので買うものがあるなら逆にこちらも強気な値下げで交渉する姿勢を見せるのが吉かと思われます。「この値段まで下がらないなら要りません」と言って帰るふりすると結構成功するみたいです。なお僕はちょっとだけ押しが弱くて値下げしきれず、若干高めなお値段でTシャツを購入しました。まあでも売る方買う方両方が良いと言ったら後は恨みっこなしです。

ただ実際にやってみて分かったのですが値交渉は精神的に疲れるので、特にスパイスやコーヒーなどではなくシャツや置物系が欲しい場合、ストレスなくそれなりの値段で買いたいなら上述のサイゴン中央郵便局をおすすめします。

中心市街地の主要なランドマークは粗方押さえたところで、少しだけ時間に余裕があったので最後は中心地から見て空港方面にあるヤックラム寺(Giác Lâm Pagoda)へ。外国人観光客はかなり少なく、マジで地元民向けの普通の寺って感じでした。

ベトナム上座部仏教が多い東南アジア大陸部にありながら日本を含む東アジアと同じ大乗仏教が主流の国ですが、この七重塔を見ればお分かりのように実際の雰囲気は全然日本と違いました。面白いのは仏像の後光が電飾だったことです。最初は面食らいましたが、確かに「仏の後光」を表現するにあたって実際に光を出せる現代技術でアップデートした仏像を作るというのは、信仰を伝統や文化の一部分としてよりも現在の生活の一部分としている人々にとって自然なことなのかもしれません。

写真では伝わりづらいですが、頭の後ろの光の筋は点滅しています。

さてローカルなスポットも垣間見たところで空港へ戻ります。ヤックラム寺の近くに30分に1本来る空港行きのバス停があるということでそこに向かい待機

……したんですが、30分以上たっても一向に空港行きのバスが来なかったので、仕方なく流しのタクシーを捕まえました。看板にはちゃんとタンソンニャットって書いてるよな?

公共交通がまともな時間感覚で走っているのは日本くらいだとはよく聞きますが、やはり過信はしない方がいいというのは本当のようです。

というわけで丸1日の乗り換え時間を利用した弾丸ホーチミン観光はこれにて終了し、ここからは真の目的地・カンボジアへと入ってゆきます。