現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【八丈島・青ヶ島】2重カルデラを見に絶海の孤島へ【後編】

前記事(https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/10/20/020416)の続きです。

・3/2 青ヶ島

上陸後はまず島の散策。火山島だけあって地熱による蒸気で食べ物を蒸すことができる地熱釜が公共設備として設置されており、島の言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれています。宿の方に事前に地熱釜で加熱調理する「ひんぎゃ弁当」を注文しておいたので、それと共に地熱釜の前で車から下ろして貰いました。地熱釜の位置は地図中の「ふれあいサウナ」のすぐ近くです。外側と内側のカルデラの間の凹地に位置しています。

ジップロックに入った料理や卵を釜に入れ、蓋をして石のおもりを置き、蒸気のコックを開きます。宿の方と来れば使い方を教えてもらえると思います。

だいたい40分くらいかかるとのことだったので、その間に内側の小カルデラの尾根を一周歩いて回ることに。

こんな感じの山道です。一周ぐるっと遊歩道になっています。

内側カルデラの内部はある種の聖域になっていて立入が禁止されているので、ここから内側へは入らないよう注意してください(と言っても、見た所内側へ下りて行けるような道は無かったと思います)。

内側カルデラの尾根から見る外側の尾根。向こうの方が高いので海はほぼ見えません。

 

一周したら丁度いい時間だったので、地熱釜から蒸し上がった弁当(写真中のアルミホイルとジップロック)を取り出して横の東屋で頂きました。アルミホイルに入っているのはチーズをのせた魚、ジップロックに入ってるのは芋の煮付と、鶏肉・玉ねぎ・シメジのトマト煮みたいなものです。おいしい。

 

ここから、歩いて島を見物しつつ外側の尾根にある尾山展望公園へと登っていきます。だいたい80分くらいのコース。地図だと伝わりにくいですが、かなり起伏が激しいので、まあまあな運動になります。それはしんどいなーという方にはレンタカーもありますが、傾斜だらけな上に車2台がすれ違うには狭い場所がほとんどで、運転難易度はかなり高いと思われますので注意してください。

ちなみに、スタート地点近くのふれあいサウナの横と、途中にある清受寺というお寺にトイレがあります。また、最初に述べた通りもの凄い離島ではありますが、少なくとも自分が行った範囲でdocomoの場合、電波は問題なく届きました。

途中にはこんなところもあるので注意してください。代替ルートがある場合や島の外れなど人が居なくなった場所には荒れた道が修復されずそのままになっているというのがしばしば見られます。

 

登ってゆくと徐々に2重カルデラっぽさがあらわになってきます。

カルデラの外側に出たところで見える海。

尾山展望公園に登ったところから。この島が2重のカルデラになっていることがよくわかります。また、青ヶ島は比較的小さな島なのでこの展望公園に登るとほぼ360度海が見えます。

360度パノラマ写真がこちら。小高い所が若干あって視界が遮られますが、ほとんど全周に渡って海が見えてます。天気が良ければ北側の遠くに八丈島が見えるらしいですが、この時は少々曇ってきたこともあり他の陸地は一切見当たりませんでした。まさに絶海の孤島に来た実感を味わえます。何なら世界の果てまで来たような気さえしました。実際には東京都内なんですけど。

さて今回の目玉である2重カルデラは無事見ることができたので、ここから外側カルデラの北、島の中心地的な集落へと下りていきます。

島にある唯一の店らしい店もそこにあります。観光客用の土産も島民向けの食材等も扱っています。

ちなみに青ヶ島のお土産は「青酎」という地酒がメインとなります。芋も麦もあり、複数の酒蔵が出しているので結構バリエーションがありました。観光地によくあるお菓子のお土産は無かったかと思います。その他、Tシャツやマグネットなどの小物が売られています。

ねこ

青ヶ島郵便局。ゆうちょ銀行ATMもちゃんとあります(恐らくは島唯一のATM)。

宿にチェックインした後は歩き疲れてるのもあって休息。夜は晴れていれば星空が凄いらしいのですが、曇っていたので諦めて早々と就寝しました。少し残念ですが、星空はまたどこかで見る機会があるでしょうし、ここでしか見られない景色はちゃんと見れたのでまあ良し。

 

・3/3 青ヶ島

この日は生憎の雨。午前中は小雨だったので宿に傘を借りて集落内の探索に出ました。

北側に牧場があるようなので見に行ってみます。

こんな道を下っていきます。海に面した崖の上の草地。普段は中々見られない風景です。

ヘリポート付近の神社。

集落内のお店に掲載されている青ヶ島の立体地図。こうして見ると本当に全周が崖なのがよくわかります。

昨日2重カルデラを見下ろした尾山展望公園(上の写真と同じ場所)にもう一度行ってみたら、霧が濃すぎて目の前が真っ白。

島の小中学校です。写真中の道を下って行った先には島内唯一の信号機があります。

 

午後〜夜は雨が強くなったので宿で待機。勿体無いような気もしますが、見所はあらかた見回れたので無理に出歩くことはせず、Amazonプライムで『テルマエ・ロマエII』観てました。

 

・3/4 青ヶ島八丈島→羽田

朝、宿をチェックアウトしヘリポートへ。島の中心エリアから遠く離れた港と違ってヘリポートは集落の中にあるので便利です。船より就航率が高いとはいえ視界不良だと欠航することがあるとのことで、この天気だと少し心配ですが普通に飛んでました。写真は八丈島から飛んできた機体が着陸する寸前のものです。

定員は9人ですが、この日は自分たちプラス島民らしき女性の3人しか乗客がいませんでした。そう考えると別に予約開始待ち構えて電話入れなくても良かったかもしれませんが、それはあくまで結果論なので……。

9:45に離陸。人生で初めてヘリに乗って飛んだんですが、助走なしでGも感じずにフワッと宙に浮くのはかなり独特な感覚がします。あと、映画とかで見るよりめちゃめちゃロータ音が大きいです。乗っている間、すぐ隣に座っていても全く会話できませんでした。

視界には霧がかった海と空しか見えないので速さがイマイチ実感できませんが、72kmを20分くらいで飛ぶので200km/h以上出ます。

 

ヘリは八丈島空港に着陸。帰りの飛行機までは再び八丈島を観て回ります。空港周辺は初日に回ったので、バスに乗って島南部へ。裏見ヶ滝という場所を訪れました。

 

その名の通り滝の裏に回ることができます。

続いて温泉に入りに行きます。

道端にこういう露天風呂もありましたが、少々丸見え感があったので見送り、普通に建物の中にある温泉へ。

タオルが無かったので300円で購入。白無地ではなく、「八丈島」という文字と模様があしらわれた黄色いタオルでした。

 

温泉から出たらバスで空港に戻り、夕方のANAで羽田へ戻りました。

費用は何だかんだで6万台くらいになりました。ちょっとお高めではありますが、ニッチな国内旅行を考えている方にはかなりおすすめできますので、珍しい地形の景色や海が好きな方は検討してみてはいかがでしょう。