現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【フランス】ミュージアム・パスで巡るパリ市街

前回→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2019/11/03/162450

・3/22

この日は丸々自由行動。最初に述べたとおり10人以上のグループなので、シャンゼリゼ通りでショッピングしたい派と観光に全振りしたい派の2手に分かれて行動することになりました。僕は後者です。

まず朝イチで向かったのはモンマルトル(Montmartre)の丘。土曜日には「黄色いベスト運動」のデモのルートになるので行くなら金曜(22日)にして下さいとのことでした。このモンマルトルはジャン=ピエール・ジュネ監督の映画『アメリ』(2001)で舞台になっています。

映画ではメリーゴーランドの脇に公衆電話があり、オドレイ・トトゥ演じるアメリがそれを使うシーンがありますが、残念ながら公衆電話はありません。

劇中でアメリが勤めているカフェも名前が違う(Café des Deux Moulins)だけでほぼそのまんまの外見・構造で実在するので前まで行って写真撮ったんですけど、何かの間違いで消えてました。残念……。

ちなみに『アメリ』のカフェからしばらく道を下るとムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)というキャバレーがあります。キャバレーといっても日本でいうそれとは少し違ってショーとかをやるクラブみたいなものでしょうか。ここもバズ・ラーマン監督の映画『ムーラン・ルージュ』(2001)でその名の通り舞台になっています。

さて朝のモンマルトルを散策した後はメトロに乗り、前日車窓からちらっと見たエトワールの凱旋門へ登りに行きました。

この凱旋門、入場料が発生するんですがパリ市内をガッツリ観光するなら普通に凱旋門単体の入場料を払うより「パリ・ミュージアム・パス」の購入が非常に便利だったのででオススメです。自分は凱旋門の入場窓口で買いましたが、結構色んな所で売っているようです。

f:id:wprefrom:20191103125142j:plain

これを購入するとパリの主要な観光地55ヶ所に対象期間内に入り放題になります。僕が利用した2日間用のものは52ユーロ、日本円にして約6300円です。決して安くはないですが、内容がかなり充実してますし、4ヶ所ほど行けば元が取れる価格設定なので十分買う価値があります。

対象55ヶ所の中には

・エトワールの凱旋門 ・ルーヴル美術館 ・ノートルダム大聖堂

オランジュリー美術館 ・オルセー美術館 ・サントシャペル

も含まれています。ここから先行くところ全部これで回りました。経済的な面はもちろんですが、一度どこかでこれを買えば以降の場所に入場するときほとんど並ばなくてよくなるというのは限られた時間でできるだけ多くの場所を巡りたい人にはありがたい話です。

これを買ったら裏表紙の所定欄に使用開始する日付と自分の氏名を記入することで使えるようになります。日付は左から日、月、年なので注意。

凱旋門を中心として放射状に通りが伸びているのを360度見回せるのは中々壮観です。その中でも上の写真は、凱旋門に向かって正面に通っているシャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Élysées)を写したものです。大きなオベリスクのあるコンコルド広場まで約2km、まっすぐ続いています。

実際シャンゼリゼを歩いてみるとこんな感じ。ご覧の通り道幅がかなり広いです。そしてその両脇はブランド物の販売店や飲食店などが並んでいます。ただ、当時毎週土曜のデモが日本でもニュースになるくらい激しい時期だったので、沿道の店のガラスには結構な割合でヒビが入っていました。この日は金曜なので通りは平和そのものだったんですが、「これが明日にはガラスが割れるほどの激しいデモの舞台になるのか……」というのが今一実感として湧いて来ず、それだけに窓のヒビが奇妙に周りの景色から浮いていたのを覚えています。

我々一行はブランド物などにはそこまで関心が高くないチームだったので、シャンゼリゼはぶらっと歩いてランチを食す程度でした。最初の記事で少し触れましたが、そろそろ趣向の違うものが食べたい頃合いになっていたので、レバノン料理店に入りクスクスを注文。クスクス(仏: couscous, 亜: كسكس)とはデュラム小麦粉を粒状にしたもので、実際味や食感も「米っぽい形のパスタ」でした。具としてはケバブと似たような感じの肉と野菜が添えられています。

f:id:wprefrom:20191103135632j:plain

さて、シャンゼリゼを歩き通した先にあるコンコルド広場のすぐ近くにはオランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)があります。クロード・モネの『睡蓮』を多数展示しているのが一番のウリな美術館でして、さほど規模は大きくないので1時間くらいでサクっと回れます。

ちなみに日本とは違い、美術館内は基本写真OKです。ただダメな所もあるかもしれないのでその都度掲示などをよく確認して下さい。

オランジュリーを出たら次はレオポール・セダール・サンゴール橋を渡ってセーヌ川の対岸にあるオルセー美術館(Musée d'Orsay)へ。

橋には多数の「愛の南京錠」がかかっていました。恋人同士がここに錠前をかけて、鍵を川に投げ捨てることで解けぬ愛を誓うというもの。

ルイ・レテリエ監督の『グランド・イリュージョン』(2013)にもちらっと出てきますが、あれはポンデザール(Pont des Arts)というここから数本先にある別の橋です。ただ、ポンデザールの南京錠は2015年に撤去されたとのこと。多くの南京錠がかかっていると欄干に負荷がかかるからというのが主たる理由だそうです。

オルセー美術館には近現代の作品が多いように見受けられます。こちらはブールデルの『弓を引くヘラクレス』。

ロダン地獄の門』。『考える人』はこの作品の一部を抜粋して作られたものです。

さて、オルセー美術館を出た後は再びセーヌ川を渡り、大本命のルーヴル美術館(Musée du Louvre)へと向かいます。

まず中央の広場にあるのが有名なガラスのピラミッド。『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)でジャン・レノが出てきた所です。これが入り口の1つになっていて、広場の地下へと入っていくことができます。ちなみに、奥と右手に見えている建物はこれ全部ルーヴル美術館です。写っていないですが右手と同じような構造で左手にも建物が伸びています。それはもう面食らうくらいでかいです。

やはりこれほどのスポットになると世界中から観光客がくるようで、パンフレットはかなりの数の言語に対応していました。日本語もあります。

上に述べたようにルーヴル美術館はとんでもなく広いのですがその中でもやはりモナリザが目玉扱いされていて、館内には「モナリザはこっち」とデカデカと案内を掲示しています。

大体の絵は部屋や回廊の壁に多数展示されているスタイルなんですが、モナリザだけはこのサイズ感の絵1枚に対してちょっとした体育館くらいの大きさの部屋が与えられていました。

モナリザに次ぐか並ぶくらい目玉なサモトラケのニケとミロのヴィーナス。

ひたすらルーヴル美術館内を見回った後は夕食をとってホテルに戻ります。

夕食はシーフードのお店だったんですが、前日のシャルティエに引き続き白ワインを飲んだところこの日は朝から歩き通しで疲れていたせいか酩酊してしまいました。反省しています。

・3/23 実質最終日

最終日は昼から皆でノートルダム大聖堂があるシテ島に行くことが決まっていたんですが、午前中は未定だったので、「まだルーヴルを見足りない!」という数人と共にルーヴル美術館をおかわりすることに。ミュージアム・パスがあるので2回行っても費用は変わりません。

ヨーロッパの芸術作品だけでなく、わずかではありますがアジアやアフリカ、太平洋地域などの芸術作品も展示されています。あとルーヴル美術館の別館が最近(2017年11月)アラブ首長国連邦アブダビにできたらしいことを知ります。

 *2020/1/12追記:アブダビ編はこちら→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175455

2回行ったところで全部をじっくり見ることはできなかったんですが、まああらかた見れたかなというところで昼からシテ島のサント・シャペル(Sainte-Chapelle)へ。島とは言いますがセーヌ川の中洲のことなので、パリの中心部にあります。

めちゃめちゃ荘厳な教会です。

続いて同じくシテ島にあるノートルダム大聖堂

f:id:wprefrom:20191103155216j:plain

まさかこの時はそのおよそ1ヶ月後に火災が発生するなんて思いもしませんでした。1日でも早い修復を願います。

ただ、先日の首里城もそうですが(自分は沖縄に行ったことありませんが)、旅行というのは自分が行ける行けないという都合だけでなく旅行先の状況もまた常ならざるものです。行きたい所には行ける時に躊躇わず行っておくべきだなと切に思います。

シテ島の観光が終わった後はシャルル・ド・ゴール国際空港に移動し、エールフランスで羽田へ。翌24日の到着でした。

 

はじめに述べた通り現時点ではこのフランス旅行が海外としては直近なのですが、近いうちに個人手配で海外へ行く予定があるので、予定通り行ければ次はそのことを書きたいと思います。ではまた。