現実逃避録

旅行とか趣味の記録

【UAE】安宿と長距離バスで巡る石油王の世界・アラビア半島の旅

11月に東南アジアに行ってきたばかりのところで少々スパンが短いのですが、この年末にアラブ首長国連邦UAE)・オマーンの2ヶ国へ旅行に行ってきました。数ある選択肢から旅行先にUAEをチョイスしたのは世界一の高層ビルであるブルジュ・ハリファや豪華な商業施設を訪れてみたいからというのも少しありましたが、一番の目玉はアブダビにある巨大な純白のイスラム教寺院、シェイク・ザイード・グランド・モスク(Sheikh Zayed Grand Mosque, جَامِع الشيخ زَايِد الكبير)です。以前たまたまネットで世界の絶景みたいなのを色々検索していたときにその存在を知り、そのエキゾチックで美しい外観を実際に観てみたいと思っていたのが今回実現することができました。

加えて、近未来的なビルが林立するUAEとは対照的に隣国オマーンには昔ながらのアラビアの雰囲気が残っているという評判を聞いたので、ドバイから陸路で安く行けるということでマスカットにも足を伸ばすことに。

大まかな旅程としては、お財布に比較的優しい中国南方航空を使って広州経由でドバイへ飛び、到着してすぐアブダビへ移動、1泊観光した後にドバイへ戻り夜行バスでマスカットへ移動、そこで1泊した後ドバイに戻って2泊(そのうち片方の1日は砂漠ツアー)といった具合。1週間ほどありましたが、荷物は極限まで取捨選択して少し大きめのリュック1つにまとめました。

東南アジアの時とは別の人ながら今回も2人パーティでの旅行だったんですが、途中一時的に仲間が増えて3人パーティとか4人パーティになったりしました。そこらへんはおいおい綴っていきます。f:id:wprefrom:20191231151828p:plain

(図中のRTA、Mwasalatはそれぞれバスを運営している会社名です。ドバイアブダビ間の移動をリアルタイムアタックしたという意味ではありません。)

 

・12/22 中国南方航空 羽田→広州→ドバイ

朝に羽田に到着し、午前中の便で広州白雲国際空港へ。中国南方航空については前回東南アジアに一緒に行った友人からは「機内食がものすごくまずい」、ネットでは「遅延が多い」と散々な評判。なので「まぁ安いし……」と全くと言って良いほど期待していなかったのですが、結果的には乗務員のサービスも好印象で、往復4便とも遅延は全くなく、機内食も別にまずくなかったです。まぁ凄く美味いってことはないですが、それは他社の機内食も割とそうなので……。

白雲空港に着陸した後は国際乗り継ぎの手続きへ向かいます。検疫の改札を抜けた後に「International Transfer」と示された方へ向かい、荷物検査を受けます。ここの検査が入国しない割にものすごく丁寧で、荷物のスキャンだけでなく全身をスキャンしたり触ったり場合によっては靴脱いだりのチェックを一人一人にするので人数が多いとそれなりに時間を要します。

そのチェックを抜けて搭乗口のところまで来たあと、空港の中だけでも中国を味わおうと思い中華料理店に入って麻婆豆腐を注文(機内食があったのでこれだけ)。全然辛くなかったのでちょっと物足りなかったかも。

ドバイ国際空港に到着したのは現地時間で12/23の0時を過ぎた頃。300米ドルをUAEディルハム(以下, Dh)に両替し、エティサラット(Etisalat)のSIMカードを入手して空港の到着ロビーの片隅にある普通の椅子で5時過ぎまで仮眠しました。当然、体勢的に無理があるので大して寝れませんでしたが…

・12/23 ドバイ→アブダビ

朝になってからアブダビへ移動するわけですが、その前にドバイからマスカットへ行くバスのチケットを確保しに行きました。当日乗る直前でも大丈夫っぽい感じでしたが、何せ1日に何本もあるドバイ-アブダビのバスとは違って1日3本しかありませんから万が一乗れなかったなんてことがあると予定が大きく狂います。それは避けたいということで何よりチケット確保を優先することに。

ドバイ・マスカット間のバスはオマーンの国営交通であるムワサラット(Mwasalat, مواصلات)とUAEの企業であるアル・ハンジュリー(Al Khanjry, الخنجري)によって運行されていますが、今回我々は前者を利用。ムワサラットのバス発着所ならびにチケット販売所はドバイメトロのアブ・ヘイル(Abu Hail)駅となっていますので、そこを目指して移動しました。

ドバイのメトロやバスに乗るには「nolカード」というICカードを手に入れる必要があります。これにはレッド・シルバー・ゴールドとグレードがあるんですが、後で使うドバイ・アブダビ間の長距離バスはシルバー以上のグレードでないと乗れないということだったのでシルバーを購入。なぜかレッドとゴールドは券売機で買えるのにシルバーは有人窓口限定でした。価格は25Dh(約750円)で、うち19Dhがチャージされた状態で手に入ります。

で、7時過ぎにアブ・ヘイル駅に到着。駅の周辺にムワサラットの事務所があるらしかったのですがどうもよく分からないのでロビーのこのRTAのカウンターの人に聞いてみたところ、事前に調べた情報とは少々違いますがこのカウンターがマスカット行きのバスのチケットなどを扱っている場所そのものだったようです。ムワサラットから委託されてるのでしょうか。

どうも1人で作業をこなしているようで、丁度バスの発着のタイミングで忙しそうだったため1時間くらい待たされましたが無事24日の23時発のバスを2席取ることができました。往復で90Dh(約2700円)、キャッシュオンリーです。安い。ちなみに帰りの便はここではなくマスカット側の事務所で指定する必要がありました。

(なお、写真はこの時ではなくオマーンから帰ってきた時に撮ったものなので夜になってます)

チケットは複写紙が数枚、表紙とともに綴られたものです。

想定より1時間ほど遅くなりましたがアブダビへ向かいます。アル・グバイバ(Al Gl Ghubaiba)駅から少し歩いたところにバスターミナルがあるので、アブダビ行きのバスはどれか聞いて乗り込みました。片道25Dhです。nolカードのチャージは駅でやっとくのが無難ですが、ここの事務所でもできるみたいです。なお、タクシーが客引きしてきますが高いので無視。

ここからバスで走ること2~3時間。トイレは事前に済ませましょう。

ドバイ〜アブダビの間の車窓の風景はほとんどなんにもない砂漠なので日本では珍しい地平線が見られます。

また、アブダビに近づいてくるとアルダー本社ビルが右手に。最近NETFLIXで公開されたマイケル・ベイ監督の『6アンダーグラウンド』のロケ地にもなっている丸い形をした特徴的なビルですが、中に入れるわけでもないので車窓から見るくらいで丁度良いです。

バスは昼ごろにアブダビのメインバスターミナルであるアル・ワヘダ・モール(Al Wahda Mall)前に到着。

モール内のレバノン料理店で昼食。

ここから豪華絢爛な超高級ホテルエミレーツ・パレス(もちろん泊まりません。見に行くだけです)、目玉のシェイク・ザイード・グランド・モスク、それからパリのルーヴル美術館の別館であるルーヴル・アブダビ、とアブダビ市内を本格的に観光していきますが、それは次の記事(→https://wprefrom.hatenablog.com/entry/2020/01/12/175455) で。